研究課題/領域番号 |
11304034
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
田切 美智雄 茨城大学, 理学部, 教授 (50007829)
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研究分担者 |
藤縄 明彦 茨城大学, 理学部, 助教授 (10143140)
木村 真 茨城大学, 理学部, 助教授 (20142226)
高橋 正樹 茨城大学, 理学部, 教授 (20134166)
野口 高明 茨城大学, 理学部, 助教授 (40222195)
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キーワード | クラック / 粒界 / 流体 / ミグマタイト / 変形岩 / 花崗岩 |
研究概要 |
導入した走査電子顕微鏡の調整を2月までに修了し、画像解析と鉱物の化学組成の定性および定量分析が本研究で要求される精度(24元素、定量値で主成分元素について±0.5%)で可能になった(野口と木村)。野外での花崗岩質岩脈試料の採取と記載を筑波山地、阿武隈山地で行い、岩脈と壁岩との間の浸透組織を観察した(田切と高橋と藤縄と野口)。特にミグマタイトについては、筑波地域の1500mボーリングコアから極めて良好なミグマタイト試料が多数得られ、花崗岩脈と母岩との関係やミグマタイト構造の発達が記載できた。阿武隈山地の花園地域では竹貫変成岩のミグマタイトが発達し、粒間メルトの量とミグマタイトの流動性との間に著しい相関があることが発見された。キルギス共和国天山山脈のマクバル地域に産する超高圧変成岩中の電気石の産状とホウ素の挙動について観察し、沈み込み帯地下70kmでのホウ素の移動性についてデータを得た。花崗岩中のクラック・結晶粒界・亜粒界の体積を測定するための試料採取を棚倉破砕帯付近の阿武隈山地で行い、薄片を作成した。既に報告してある石英波動消光度と歪み量との相関を求めるために透明水晶のc軸に平行な薄片を作成し、バイレフリンゼンスと結晶方位との相関を求め、歪み測定を行った(田切)。アルカリ流体浸透実験は圧力容器と外熱式ヒーターを用いた低圧実験装置を組み立て中である(田切と藤縄)。研究発表は、変成岩中の石墨と流体組成による変成温度構造の研究(田切)、地殻内割れ目とマグマ供給システムの研究(高橋)、隕石の流体反応と水和反応に関する研究(木村と野口)である。
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