1)数ミクロンからサブミクロンオーダの単結晶シリコンカンチレバーで、先端に探針を有するものの作製に成功した. シリコンの結晶方位による異方性を用いてカンチレバーと探針を形成しているため、極めて精度の高い作製が可能となった.これにより、スケーラブルな作製方法が実現され、形状と寸法精度が全体の大きさや、フォトリソグラフィー装置の精度に大きく依存しないことを確認した.この作製手法によると、位置平方センチメートルあたり、数100万個のカンチレバーの作製が可能となる. 現在、各カンチレバーの同時作動による像取得のための光学系の研究を行っている. 一方、走査型電子顕微鏡内走査型力顕微鏡を用いて単結晶カンチレバーの強度を測定したところ、極めて高い強度が確認された.バネ定数は1N/mオーダで、AFM計測に用いるのに適したレンジであることを確認した. 真空中でレーザドップラー振動計を用いて計測を行った.その結果、固有振動数が1MHz、Q値が約10000であった. 温度4K、帯域1秒において、10aNオーダの力分解能を有すると概算される. 現在、超高真空走査型力顕微鏡と、100万個オーダのカンチレバーの同時走査の両テーマを並行して進めている.
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