研究課題/領域番号 |
11305006
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
尾浦 憲治郎 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60029288)
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研究分担者 |
本多 信一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90324821)
片山 光浩 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70185817)
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キーワード | 気相雰囲気下半導体表面プロセス / CAICISS / TOF-ERDA / 表面水素 / 水素サーファクタント効果 / イオンビームその場計測 / 気相成長 / ドライエッチング |
研究概要 |
本研究では、表面の組成と構造および表面水素の定量が可能な、イオンビームをプローブとする低速イオン散乱・反跳分光法に着目し、これを改良することにより、気相雰囲気における半導体表面プロセスのイオンビームその場計測法を開拓することを目的とした。そのため、(1)従来の低速イオン散乱・反跳分光装置のイオンビーム輸送経路および検出器の部分に差動排気機構を付加し、10^<-6>〜10^<-2>Torrの気相雰囲気下でその場計測が可能となる装置の開発を行う、(2)これを用いて、(1)エピタキシーにおける励起水素の介在プロセス、(2)化学気相成長(CVD)やガスソース分子線エピタキシー(GSMBE)などの気相成長プロセス、(3)ドライエッチングプロセスなどの、気相雰囲気における種々の半導体表面プロセスのその場計測を行い、ひいては気相雰囲気下での半導体表面における表面動的過程に関する理解を発展させることを目的としている。 本年度では、前年度導入した気相雰囲気下でその場計測が可能な低エネルギーイオン散乱分光装置(CAICISS)に、差動排気機構を装備した低エネルギーイオン反跳分光装置(TOF-ERDA)を導入した。これにより、10^<-4>〜10^<-2>Torrの気相雰囲気下での表面水素量のその場計測が可能となった。この装置を、励起水素雰囲気におけるSi(100)表面上のGe成長のリアリタイムその場計測に応用した結果、励起水素によるGe成長膜の平坦化現象(水素サーファクタント効果)において励起水素ガス流量に最適値が存在することを見いだし、同時に膜成長中の表面水素の存在量を明らかにした。
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