研究課題/領域番号 |
11305007
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
表面界面物性
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
桑原 裕司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00283721)
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研究分担者 |
齋藤 彰 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90294024)
青野 正和 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10184053)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | 機能性有機分子 / 走査トンネル顕微鏡 / 機能評価 / 独立駆動2探針 / 量子デバイス |
研究概要 |
本研究の目的は、固体表面上で機能性一次元分子鎖、特に導電性有機分子鎖を形成し、またそのパターンを制御する技術を開発して、有機分子による単電子トンネルデバイスを試作するものである。さらに、新しい表面評価法である独立駆動2探針走査トンネル顕微鏡を製作して、構築した表面量子デバイスの機能をナノスケールでその場評価する。 本年度は、二種類の分子、すなわち分子内に機能を有するホスト分子とスペーサーとしてのゲスト分子の共吸着において、分子長を変化させることによる表面二次元秩序構造の変化に関して研究を行った。分子単位での混合及び周期配列に関して、ホスト分子とゲスト分子の分子長の比が重要なパラメータであることを見いだし、その生成メカニズムに関して考察を行った。また、走査トンネル顕微鏡の先端から電圧パルスを印可することにより意図した位置で分子単位での局所連鎖重合反応を誘起することが可能となり、重合分子鎖による量子構造構築に成功した。 昨年度立ち上げた独立駆動2探針走査トンネル顕微鏡(WT-STM)システムを用いて、ポリジアセチレン系重合分子超薄膜に関して、その電気伝導性について実験及び評価を行った。LB法により6層程度積層させたジアセチレン分子に紫外線励起による重合反応を誘起して、ポリジアセチレン超薄膜を形成した試料に対して、接触した二つの探針間の距離をマイクロメータレベルで変化させることにより、その抵抗値を測定した。その結果、ポリジアセチレンのバルク結晶で報告されている導電率よりも数桁大きな導電率が計測された。このことは三次元系あるいはマクロスコピックな物性と、低次元かつミクロスコピックな物性とで大きな変化があることを示しており、機能性有機分子を用いたナノスケールデバイス作製に関して、その多様性及び特異性を示す結果として興味深い。
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