研究課題/領域番号 |
11305014
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森 勇蔵 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00029125)
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研究分担者 |
広瀬 喜久治 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10073892)
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キーワード | 超純水 / 電解加工法 / 超精密超清浄加工法 / 水酸イオン / 表面酸化膜形成 / 触媒材料 / イオン交換材料 / 第一原理分子動力学シミュレーション |
研究概要 |
本研究は、超純水を利用したクリーンな(洗浄工程が不要、周囲環境を汚染しない、廃液処理が不要)新しい電気化学的加工プロセスを着想・提案し、以下の項目の達成を目的としている。(1)水分子が分解し、水酸イオンが生成される反応の素過程を明らかにし、水分子を効率的に電離し、高密度の水酸イオンを得るための技術を確立すること。(2)材料表面と水酸イオンとの化学反応による材料表面原子の加工機構、および各種材料に対する加工特性を明らかにし、最適加工条件を見出し、加工プロセスとしての技術的確立を図る。 本年度においては、以下の研究成果が得られた。 (1)常温常圧において高密度の水酸イオンを含む超純水を作製するために、本研究ではイオン交換材料による水分子の電気分解反応を利用する。新たに開発した、実空間有限差分法によるシミュレーションプログラムを用いて、陽イオン交換基を有するグラフト重合繊維材料表面と水分子との反応素過程の第一原理分子動力学シミュレーションを行った結果、約10万倍の水酸イオン密度が得られるものと予測できた。そして、新たな触媒材料を製作し、現有設備の電解加工基礎実験装置と、新たに導入した直流電源装置によって、超純水の電解実験を行った結果、数A/cm^2の電流密度において、超純水中での電解加工が可能であることが明らかになった。 (2)本加工法は、超純水中の水酸イオンと材料表面との化学反応により加工を行う。従って、試料前加工面上の付着微粒子、有機物、金属元素などの不純物を除去しておく必要がある。さらには、水酸イオンと材料表面原子との反応による反応生成物を速やかに除去する必要がある。これを行うために、超純水中に設置されたスリット状のノズルから超純水を噴出させ、試料表面に照射することが可能な洗浄システムを導入し、試料表面の前洗浄効果、および反応生成物の除去効果についての評価を行った。
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