本研究では、RF-CMOSシステムオンチップの実現を目指し、SiによるCMOS動作のRFデバイスを開発し、ディジタルCMOSとの一体設計により、次世代携帯情報端末用オールCMOSシステムチップを開発する。本研究期間において、システムチップの構成回路となるFFT回路、SAWデバイス回路、RFCMOS回路、ディジタルワンチップモデムの基本検討を行い、特にSi RF CMOS電力増幅器、オールディジタルワンチップモデム、三次元シスチムチップのための実装技術の基礎検討にかんする多大な成果を得た。Si RF CMOS電力増幅器では、B級プッシュプル構成を用い、n型p型MOSFETを最適設計することで、パワーアンプとして動作することを示し、W-CDMAのスペックにおいて効率50%以上が可能であることを提示した。ディジタルワンチップモデムの開発を行い、ディジタル信号を直接RF信号として取り出し、無線通信可能とする回路コアを、150mm角で実現し、その特性評価により理論特性から1dB以下の劣化で通信が可能であることを示した。 三次元システムチップの構造の再検討を行った結果、LSIのグローバル配線長の増加が平面方向への面積拡大による点に着目し、レイヤ間の配線遅延時間制御による三次元システムチップ用バーティカルバス構造を考案した。さらに、フリップチップ実装技術の基本技術として、各種材料の接合強度の基本評価を行った。金・金メッキ・銅基板接合が、その接合強度を増すことを実験的に確認した。
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