研究課題/領域番号 |
11305034
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
三木 千寿 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (20016645)
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研究分担者 |
廣瀬 壮一 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (00156712)
森 猛 法政大学, 工学部, 教授 (10157860)
大即 伸明 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40211106)
白旗 弘実 武蔵工業大学, 工学部, 講師 (40298013)
市川 篤司 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授
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キーワード | 溶接欠陥 / 疲労強度 / 許容欠陥寸法 / 板厚依存性 / 鋼材強度依存性 / 超音波探傷検査 / 自動超音波 |
研究概要 |
本年度は鋼橋に多く用いられる突合せ溶接継手に含まれる種々の溶接欠陥に対して以下の研究を行った。 (1)突合せ溶接継手部にブローホール、溶接割れ、溶込み不足、融合不良、スラグ巻込みといった代表的な溶接欠陥を導入した試験体を用いた疲労試験により、各種欠陥の疲労感受性について見当を行った。ここでは、継手寸法の影響を考慮するために、板厚25,50,75mmの試験体を、また鋼材強度依存性を考慮するために、JIS SM490とSM570を用いた試験体を用いて検討を行った。検討パラメータは、欠陥形状、寸法、欠陥位置などであり、それをパラメータとして実験結果の評価を行った。本継手形式では、板厚依存性や鋼種依存性は大きく現れてはいないが、欠陥の種類に疲労感受性が大きく影響を受けることが分かった。また、各種欠陥はその発生機構から、発生位置が限定されるが、開先形状により発生位置が異なる場合もあるため、その影響を考慮する必要があることが分かった。例えば、溶接割れは、V開先では、溶接余盛部にあるため、それほど疲労にクリティカルではないが、X開先では継手中央部にあるために、非常に大きく溶接部の疲労強度を低下させることが分かった。 (1)疲労試験結果及び破壊力学的なアプローチを用いて疲労に対する溶接継手部の許容欠陥寸法の設定を行った。ここでは、各種欠陥の感受性を把握した上で、非破壊検査技術の現状から、一つの溶接欠陥長さ(t/6:t板厚)を許容欠陥寸法として設定した。 (2)設定した許容欠陥寸法を確実に検出する非破壊検査手法として、超音波探傷検査、特に自動超音波探傷検査の検討を行った。まず、現状で、自動超音波探傷検査がどの程度の精度があるかを認識するために、ここでは、現存する探傷システムを用いたベンチマーク試験を行った。 (3)超音波非破壊検査の高精度定量化を目的として、10連探触子を用いた探傷技術の提案を行い、その有効性を確認した。
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