研究分担者 |
廣瀬 壮一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (00156712)
森 猛 法政大学, 工学部, 教授 (10157860)
市川 篤司 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授
村田 清満 鉄道総合技術研究所, 技術開発事業本部, 主幹技師
西川 和弘 国土交通省, 国土技術政策総合研究所, 評価研究官
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研究概要 |
本年度は最終年度として,研究の取りまとめを行うとともに,以下のような検討を行った。 (1)設定した許容欠陥寸法を確実に検出する非破壊検査手法として、超音波探傷検査、特に自動超音波探傷検査の検討を行った。昨年度から引き続き、自動超音波探傷検査がどの程度の精度があるかを認識するために、ここでは、現存する探傷システムを用いたベンチマーク試験を行った。その結果,対象とする鋼板の板厚が40mm程度ほどあれば,多くの探傷システムで高いきず検出率が示される一方,板厚100mmとなると,全てのきずを検出できるシステムがないことがわかった.また,きず検出率の高い探傷システムは,2, 3Hzの探傷周波数のものであり,探傷屈折角については,65度から70度であった. (2)超音波非破壊検査の高精度定量化を目的として,鋼材が有する音響異方性が超音波非破壊検査に与える影響について検討した.特に,本研究では,板厚方向の音響異方性に着目し,板表面付近と中心部付近では,波動伝播速度が異なることを明らかにした.また,それにより,超音波探傷において,欠陥の位置検出の精度に影響を与える可能性があることを示した. (3)超音波非破壊検査の高精度定量化を目的として提案した、10連探触子によって得た情報を高速で処理できるソフトを開発し,その有効性を確認した。さらに,本研究では,10連探触子を用いた超音波探傷試験より得られるデータをもとに,開口合成法により画像化した上で,溶接継手部に存在する不溶着部の寸法を精度良く検出できることを示した.また,10連探触子は特に走査の必要がないことから,その特徴を活かし,疲労き裂が開閉口する特性をエコー高さの変化としてとらえることにより,不溶着部と識別可能であることを示した.
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