研究課題/領域番号 |
11305038
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
和田 章 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (90158684)
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研究分担者 |
坂田 弘安 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (80205749)
笠井 和彦 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (10293060)
林 静雄 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (90092569)
山田 哲 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (60230455)
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キーワード | 杭基礎構造 / 模型実験 / 制振 / 動的載荷 / 振動台 |
研究概要 |
近年、上部構造物の構造設計が中小地震から大地震までの入力レベルに対応した設計法へ移行する中、それを支持する杭基礎に関しては地震入力レベルに対応した設計が一般的には行われていないのが現状である。しかし、過去の大震災により、杭基礎構造物は不同沈下などの建物にとって非常に甚大な被害を数多く受けている。よって、杭基礎に対しても、上部構造同様に地震入力レベルに対応した設計を行う必要性が生じている。 上部構造の耐震設計法として、1994年ノースリッジ地震、1995年兵庫県南部地震の反省から、構造物を鉛直荷重を支持する主体構造と動的外乱に抵抗するエネルギー吸収機構に分離し、外乱発生時も主体構造を弾性挙動にとどめる「損傷制御設計法」が近年注目されている。 本研究では、損傷制御設計法の考え方を杭基礎の設計にも適用することで、理想的な杭基礎構造を提案しその効果を検証する。また、研究を進めるに当って行う地盤-杭-上部構造連成系縮小模型を用いた振動台実験を可視化することも目的の一つとする。 以上のことをふまえ、縮小模型を用いた静的加力実験および振動台実験を行った。パラメーターは支持杭と杭頭接合法の種類、ならびに耐震杭の本数におき、静的加力実験において各ケースについての基礎水平剛性とその杭種(支持杭、耐震杭)による分担率を求めた。振動台実験では静的加力実験の結果をふまえ、基礎水平剛性とその杭種による分担率が地震時の支持杭発生応力と上部構造への入力エネルギーに与える影響について検証を行った。 その結果、以下の知見を得た。 i)支持杭の水平剛性負担率低減と耐震杭近傍での付加的なエネルギー吸収能力が、支持杭の応力低減効果と上部構造への入力低減効果に寄与する。また、以上の効果を定量的に検討し有効性を確認した。 ii)「模型振動台実験の可視化」を具現化し、検証方法の一つとして提案した。
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