研究課題/領域番号 |
11305039
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
渡邉 史夫 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50026267)
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研究分担者 |
河野 進 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30283493)
西山 峰広 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50183900)
藤井 栄 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70144334)
佐藤 裕一 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20293889)
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キーワード | コンクリート / 性能設計 / 接合部 / 損傷評価 / 応答予測 / 耐震 / プレストレス / 付着 |
研究概要 |
鉄筋コンクリート造柱梁接合部の挙動を把握するため、上界定理とCollinsの修正圧縮場理論を組み合わせた解析法を構築した。本年度は、この解析法の有効性を検証するため、応力状態が比較的単純な梁部材に適用して耐力算定を実施した。その結果、せん断ひずみの増加にともなってコンクリートのせん断力負担比率が低下する一方、補強筋の負担比率が増大していく過程が示された。また、補強筋剛性が高いほど、部材耐力時(コンクリート圧壊時)の補強筋ひずみが低下することも判明した。 隅柱・梁接合部の耐震性能、軸力保持能力について、実験に先立ち既往の関連研究資料および地震損傷例の分析を行った。この結果、隅柱のように0.6Fcを超える高軸力の作用する場合には接合部耐力が低下した実験結果が一例報告されているに留まること、グアム地震、兵庫県南部地震で下層階隅柱・梁接合部の顕著な損傷と深刻な被害があり、現行の設計指針が十分でないことを再確認した。この点に関するまとまった実験を1999年度に実施する予定であったが、二方向載荷システムおよび高軸力載荷方法の検討に時間を要したため2000年度に実施するべく現在、計画、準備中である。 鉄筋コンクリート柱の損傷評価を行うための実験を本年度に実施する予定であったが、先に解析的な検討を行うことにした。そのため、二方向曲げを受ける柱断面の解析プログラムを開発した。このプログラムでは、塑性ヒンジ長の修正、コンクリートの応力度-ひずみ度関係の改善が、既往の実験結果を用いて行われた。本プログラムを用いて、パラメトリックスタディを行い、二方向曲げを受けるRC柱の損傷評価を行うための指標を提案した。来年度は、この指標の有効性を実験によって確認する予定である。
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