各種気候下におけるアダプティブ制御による省エネ型ハイブリッド空調方式の開発

2000 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 11305041
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 村上 周三 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (40013180)
• 研究分担者: 白石 靖幸 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (50302633) ; 伊香賀 俊治 日建設計東京本社, 環境計画室, 室長(研究職) ; 加藤 信介 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (00142240) ; 近本 智行 日建設計, 東京本社・環境計画室, 室員(研究職) ; 近藤 靖史 武蔵工業大学, 工学部, 助教授 (20267339)
• キーワード: アダプティブ型 / ハイブリッド空調 / シミュレーションモデル / 除湿型放射パネル冷暖房システム / 全空気方式空調システム / 数値サーマルマネキン / 心理モデル / 人工排熱

研究概要

(1)被験者実験によるアダプティブ型ハイブリッド空調制御手法の検証
アダプティブ型ハイブリッド空調制御オフィス空間を対象としてモデルルームを用いた被験者実験を行った。また、アダプティブ型ハイブリッド空調による室内環境シミュレーションモデル予測精度に関する検証と窓開放による通風及び放射パネル型冷暖房、熱交換型換気設備を構成要素とする空調制御手法の検証を行った。
以下(2)〜(5)は開発したアダプティブ型室内ハイブリッド空調制御モデルを用いて解析を行った。
(2)他の空調システムとの性能比較
既存の空調制御システムとの比較検討により、温熱環境調整性能評価を行った。(1)本空調システム、(2)除湿型放射パネル冷暖房システム、(3)全空気方式空調システムの解析結果を利用して行った。
(3)アダプティブ型ハイブリッド空調制御システムを導入した室内における人体温熱環境評価
数値サーマルマネキンと対流・放射・水蒸気移動連成による室内環境シミュレーションを組み合わせた室内での人体温熱感覚シミュレーションを行った。
本研究申請者らが既に開発した数値サーマルマネキンに周辺環境への順応性を考慮した心理モデルを導入したものを用いた。
(4)アダプティブ型ハイブリッド空調制御システムの省エネルギー効果の検討
屋外空間と室内空間を連成させた年間を通したアダプティブ室内空調モデルの解析を行い、省エネルギー効果について検討した。又,省エネルギー効果に伴う屋外へ排出される人工排熱の減少による屋外空間の温熱環境についても検討した。
(5)研究の取りまとめ
研究の取りまとめと本研究で行った基礎研究成果を生かすため、実際の空調に適用するための研究企画を行った。

研究成果

• [文献書誌] 平山禎久,加藤信介,村上周三,金泰延,宋斗三: "自然通風と放射パネル冷房を併用したハイブリット空調方式に関する研究(その1)放射パネル方式と床吹出し方式の比較"日本建築学会大会学術講演梗概集,. D-2. 943-944 (2000)
• [文献書誌] 平山禎久,加藤信介,村上周三,宋斗三,金泰延: "自然通風と放射パネル冷房を併用したハイブリット空調方式に関する研究(その2)夏季と冬季における室内温熱環境性状・空調負荷の検討"空気調和・衛生工学会学術講演会講演論文集. 865-868 (2000)
• [文献書誌] 宋斗三,加藤信介,村上周三,金泰延,中野亮: "自然通風と放射パネル冷房を併用したハイブリット空調方式に関する研究(その3)夏季に対して空間の天井高を変化した場合と放射パネルの大きさを変化した場合の室内温熱環境性状・空調負荷の検討"日本建築学会関東支部研究報告集,. (2001)
• [文献書誌] 宋斗三,加藤信介,村上周三,白石靖幸: "高温多湿気候におけるアダプティブ空調システムに関する研究(その2)人間が体験する通常の環境の解明"日本建築学会関東支部研究報告集. (2001)
• [文献書誌] 近本智行,加藤信介,村上周三,張腎在: "冷房時のオフィス空間における自然換気併用ハイブリッド空調方式に関する研究(その14)タスク域温度一定制御時の自然換気流入温度が室内温熱環境と空気質に及ぼす影響"日本建築学会大会学術講演梗概集. D-2. 533-534 (2000)
• [文献書誌] Shinsuke Kato,Shuzo Murakami,Tomoyuki Chikamoto: "ROOM AIR DISTRIBUTION AND COOLING LOAD OF HYBRID AIR-CONDITIONING SYSTEM UTILIZING NATURAL VENTILATION IN AN OFFICE"ROOMVENT 2000. vol.2. 801-806 (2000)