研究課題/領域番号 |
11305046
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
宮本 欽生 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (60107084)
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研究分担者 |
梶山 健二 株式会社イオン工学研究所, 研究部次長
片山 聖二 大阪大学, 接合科学研究所, 助教授 (10144528)
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キーワード | フォトニック結晶 / 光造型 / セラミック / 高分子 / バンドギャップ / 酸化シリコン / 酸化チタン / 高誘電率 / マイクロ波 |
研究概要 |
光造型法により3次元誘電率周期構造を有するフォトニック結晶の試作を行った。エポキシ系光硬化性樹脂により、ミリメーターオーダーの精密な格子構造を形成し、誘導率の周期的な変化を実現した。作製したフォトニック結晶は、エポキシ系樹脂の角柱を格子構造的に配列したもので、ダイヤモンド構造の対称性を有し、結晶周期は2mm〜4mmで変化させ、1層から50層まで積層した。結晶の最大のサイズは50mm立方である。さらにエポキシ系樹脂の比誘電率2.8に対して、より高誘電率を有する酸化シリコンおよび酸化チタン粒子を分散させ、格子の比誘電率を12まで増加させることに成功した。これらエポキシ系樹脂およびセラミック粒子分散フォトニック結晶の電磁波透過特性を評価したところ、1GHz〜15GHzの周波数領域において、いずれも明確なバンドギャップを形成することが確認された。バルク在がほぼ完全透過するのに対し、50層のフォトニック結晶の透過率はバンドギャップ位置で約30デシベル下がり、ほぼ完全に電磁波を反射してしまうことが測定された。また、4層、すなわち単位結晶周期のみのフォトニック結晶でも、20デシベルの吸収率低下が観測され、実用的には格子数層で十分な反射特性が得られることが判明した。格子の誘電率を上げることで、バンドギャップが低周波側にシフトすることも確認され、理論計算とも定性的に一致する結果を得た。今年度の研究により、ミリ波からマイクロ波領域のフォトニック結晶が容易に作製でき、誘電率制御技術も確立することができた。
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