研究課題/領域番号 |
11305047
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
複合材料・物性
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研究機関 | 独立行政法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
八田 博志 宇宙科学研究所, 宇宙推進研究系, 教授 (90095638)
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研究分担者 |
佐藤 哲也 宇宙科学研究所, 宇宙推進研究系, 助教授 (80249937)
峰杉 賢治 宇宙科学研究所, 宇宙輸送研究系, 助教授 (90239327)
棚次 亘弘 宇宙科学研究所, 宇宙推進研究系, 教授 (70013737)
向後 保雄 東京理科大学, 基礎工学部, 助教授 (60249935)
後藤 健 宇宙科学研究所, 宇宙推進研究系, 助手 (40300701)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2002
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キーワード | 炭素繊維強化炭素基複合材料 / タービンディスク / 回転破壊試験 / 飛散 / 引張強度 / 疲労強度 / ノッチ敏感性 |
研究概要 |
本研究は、炭素繊維強化炭素基(C/C)複合材料に関して将来宇宙輸送体用エンジンのタービンディスクへの適用の可能性を明らかにしようとしたもので、C/C複合材料を高速回転体へ適用したときの設計基準を明らかにすると共に、高速回転時の問題点と対策を議論したC/C複合材料は内部欠陥を多量に含んでいる材料である。C/C複合材料円盤を高速回転させると、繊維束単位の小さな飛散が低速回転で多量に発生し、このため回転不釣り合いと大きな震動が誘発される。従ってタービン性能を向上させるためには繊維束飛散を抑制することが決定的に重要になる。そこで、この飛散現象を詳細に観察して繊維束飛散の発生機構を明らかにすると共に、飛散現象をモデル化して諸パラメータの影響を定量的に示した。結論として、周方向の繊維束を蛇行させないことが最も有効な対策であり、周方向の繊維束を蛇行させない様にして作製したC/Cディスクは宇宙輸送体用エンジンのタービンディスクとして使用し得ることを示した。タービンディスクには高い引張応力が作用する。従って、タービンディスクの特性向上には高引張強度材料の開発が必要になる。そこで、引張破壊機構を議論し、線維/マトリックス界面の接着強度を低下させ線維強度の劣化を保護することで800MPa以上の引張強度を有する直交積層C/C複合材料が得られることを示した。タービンディスクは当然高温で使用され、震動荷重を受ける。そこでクリープを含めたC/C複合材料の高温強度と疲労特性を取得し、C/C複合材料は1800℃以上で顕著なクリープを起こし、これ以上の高温での適用には問題があること、また繰り返し荷重を負荷しても9割程度までの強度低下しか生じることはなく疲労に関しては実用上大きな問題はないこと等を明らかにした。更に、三次元強化のC/C複合材料は高靱性とほぼ完全なノッチ不敏感性を示すことを示した。この結果、C/C複合材料性のタービンディスクの設計に当たり、局所的な応力集中をほぼ無視し得るというC/C複合材料性使用上の大きな利点が明らかにされた
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