研究概要 |
1.プラズマジェット方式によるダイヤモンド膜合成昨年度はジェット発生によってダイヤモンドが局所的に成膜できたが,今年度は成膜面積を拡大する条件を求めた。液体はエチレングリコール・水系である。種々の形状の銅ノズルでの試行、基板温度の2色光温計による測定、プラズマ診断、試料の顕微鏡観察とラマン測定を行った。シリコン基板に当たる細いジェットは基板温度と衝突化学種の半径方向の分布をもたらす。この分布を少なくする方針をとった。基板背面に銅ブロックを密着させ,基板とジェット噴出口との距離を調整することにより、直径数ミリの範囲に1時間当たり20ミクロンでダイヤモンドを成膜させることが可能となった。申請テーマはノズル1本での成膜条件を検討したが、今後は複数のノズルを用いて大面積成膜への条件を引き続き検討する予定である。2.プラズマジェットへの原料注入を利用する成膜法の開発ほぼ純粋な水の液面上のプラズマは極めて安定である。水蒸気プラズマをジェットとして取り出し,ジェット部へ液体原料を注入して成膜する。循環する水は原料と混合しないため廃液ゼロである。ジェットは20mmまで伸ばすことができる。このジェットにアルコール類を注入して粒子析出まで到達しているが成膜までは達していない。環境負荷の少ない方式なので、今後も研究を続ける予定である。3.水のスパッタ率測定塩化チタン希薄水溶液のスパッタで酸化チタン膜が得られる。希薄水溶液系では水のスパッタ率が重要な因子となる。投入電力とスパッタ率に明らかな相関が認められた。電力200Wでのスパッタ率は約1000である。この値は金属と比較すると2桁も大きい。
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