研究分担者 |
伊藤 義郎 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (60176378)
福澤 康 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (10126477)
古谷 克司 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00238685)
島田 尚一 大阪大学, 工学部, 助教授 (20029317)
稲村 豊四郎 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (60107539)
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研究概要 |
本研究は短間隙液中放電における電極および加工液分解物の加工物上への被覆現象を解明し、金属上へ厚いセラミックス被覆を行い、また絶縁性セラミックスの高精度加工を行うことを目的としている。 平成12年度は以下の結果を得た。 1)放電加工素過程の観察 放電によるワイヤ電極瞬時変位の計測結果を用い、波動方程式の逆問題を解いて、放電衝撃力の推定を行った。さらにピエゾフィルムによる圧力計測を実施し、回転楕円体反射器による計測結果および他の文献との比較を行った。パルス幅の大きな場合は概ねの一致を見たが,小さなパルス幅では放電ノイズの影響を除去することが更なる課題となった。 2)放電圧力および放電位置と加工特性との関係把握 仮焼結体および圧粉体電極による堆積加工では、電極の消耗がパルス幅に依存せず,一方加工物上への電極材料の堆積量はパルス幅に大きく依存する結果となった。放電圧力の作用時間から推定して、脆い電極材料は衝撃力によって除去され,堆積過程では熱の影響時間が重要であると推定された。さらに加工時間の推移とともに堆積加工が除去加工に転ずる現象が見出された。この間電極消耗量が一定であることから,加工物上の表面物性値の変化により放電分散の程度が変化した結果と推定した。 3)溶融物移行過程の追跡 直径0.1mm程度の細い電極を用いて、長パルスの単発放電加工を実施した結果,電極先端がさらに細くなり、10〜20μm程度に達した。この微細電極の瞬時成形現象は電気的加工条件と共に材料の熱物性値に強く依存する。電極の成形過程をレーザ光による瞬時観察した結果、細線現象は放電終了時以降に溶融物が吹き上がることよることが判明した。 4)絶縁性材料に対する放電加工 絶縁性材料に対するワイヤ放電加工の結果,ワイヤ張力が小さいほうが除去効率が高いことが確かめられた。これは加工液分解炭素の付着過程において短絡現象が重要な役割を担っていることを示している。
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