超微粒子の流動化に適した新しいタイプのフルイドベッド型反応装置の基礎的研究

2001 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 11305056
• 研究機関: 群馬大学
• 研究代表者: 加藤 邦夫 群馬大学, 工学部, 教授 (00008442)
• 研究分担者: 中川 紳好 群馬大学, 工学部, 助教授 (70217678)
• キーワード: 微粉流動層 / 付着性粉体 / 流動化 / 粉粒流動層 / サイクロン / 微粒子ホールドアップ / 定常操作 / 複合粒子凝集体

研究概要

流動層、サイクロン、ダウンカマーより構成される流動化粒子の循環が可能な流動層に粒径の異なる微粒子と粗粒子を所定の割合で混合し、0.50〜1.0m/sのガス流速で運転した場合の流動化粒子の循環挙動および微粒子の排出挙動を調べた。層内には循環が容易な平均粒径約70μmのFCC粒子に付着・凝集性の強い平均粒径0.5〜3μmの水酸化アルミニウム微粒子を0〜5wt%まで混合した粗粒子-微粒子混合物を静止層高で約30cm程度流動層に投入した。そしてこの混合粒子を空気で流動化し、層内での微粒子ホールドアップが十分短い時間で一定であると仮定して粒子循環速度およびサイクロンより排出される微粒子の飛び出し速度に及ぼす層内の微粒子ホールドアップの影響を微粒子径およびガス流速をパラメータとして調査した。
粒子循環速度は層内の微粒子ホールドアップが減少するにつれて増加した。微粒子の層内ホールドアップが高い領域では層内で粗粒子と微粒子の複合粒子凝集体が形成されており、この複合粒子凝集体は循環している間に衝突や摩擦によって次第に微粒子のみが剥離していくので、見かけのサイズが小さくなった結果粒子循環速度が増加したと考えられる。また、混合する微粒子に平均粒子径1μm以上のものを使用すると、高ガス流速下(1.0m/s)では層内の微粒子ホールドアップが1wt%以下の小さい領域において粒子循環速度が粗粒子のみの粒子循環速度に比べて大きくなった。この流動化状態の改善効果は微粒子径が0.5μmの場合には見られなかった。しかしいずれの微粒子径においても、粗粒子のみの粒子循環速度で規格化した無次元粒子循環速度はガス流速度の増大とともに高くなった。
サイクロンより排出される微粒子の排出速度は、微粒子の層内ホールドアップが大きいほど、また微粒子の平均粒子径が大きいほど大きかった。

研究成果

• [文献書誌] Jiliang Li, Kunio Kato: "Estimation of the Critical Particle Size of Elutriation of Very Small Particles from Fluidized Bed"Journal of Chemical Engineering of Japan. 34(7). 892-898 (2001)
• [文献書誌] Jiliang Li, Kunio Kato: "Effect of electrostatic and capillary forces on the elutriation of fine particles from a fluidized bed"Advanced Powder Technology. 12(2). 187-205 (2001)
• [文献書誌] Jiliang Li, Kunio Kato: "A correlation of the elutriation rate constant for adhesion particles (group C particles)"Powder Technology. 118. 209-218 (2001)
• [文献書誌] Tsutomu Tashimo, Jiliang Li, Hirokazu Mitsui, Shin Sawada, Kunio Kato: "Holdup and Agglomerating Behavior of Adhesive Fine Particles in Circulating Powder-Particle Fluidized Bed"Proceedings of the 7th International Conference on Circulating Fluidized Beds. (in press). (2002)
• [文献書誌] Jiliang Li, Kunio Kato: "Circulating Behavior of Adhesive Particles in a Fluidized Bed of Fine-Coarse Particle Mixture"Proceedings of the 7th International Conference on Circulating Fluidized Beds. (in press). (2002)