研究課題/領域番号 |
11305061
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
工業物理化学
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
彌田 智一 東京都立大学, 工学研究科, 教授 (90168534)
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研究分担者 |
河合 是 東京都立大学, 工学研究科, 教授 (00087298)
浅岡 定幸 東京都立大学, 工学研究科, 助手 (50336525)
阿部 二朗 東京都立大学, 工学研究科, 助教授 (70211703)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | 光電気化学的制御 / スピン機能 / 共役組織体 / 全共役ポリピオローゲン / レドックス活性配位子 / 結晶内光誘起電子移動 / ログスタッキング構造 / 光誘起ラジカル対 |
研究概要 |
本研究は、不対電子の生成と消滅を光電気化学的に制御できるスピン機能単位を強い相互作用のもとに連結した共役組織体を設計し、新規な外場応答性の機能性分子磁性材料を構築することを目的とする。さらに、共役組織体に配置されたスピン機能単位をプローブに、共役組織体の構造特異的な電子状態と相互作用経路について評価した。レドックス活性でスピン多重度の高いポリラジカルの生成をめざし、4-シアノピリジニウムの還元2量化を利用した電解還元重合を試み、重合度は低いものの全共役ポリビオローゲン膜の合成に成功した。可逆な酸化還元過程を示すピリジニウムやビオローゲンに金属配位サイトを共役させたレドックス活性配位子を設計し、各種金属イオンとの配位高分子を合成した。なかでも、銅イオンとの配位高分子については、最大15%の光誘起磁化が観測された。結晶表面のXPS測定より、塩化物イオンからピリジニウム基への結晶内光誘起電子移動が確認された。1次元配位高分子がπ-π相互作用により直交積層化したログスタッキング構造は、包接可能な12オングストローム四方の巨大なチャンネルを有し、相互貫入を防ぐメゾポーラス構造を構築する2段階自己組織化法(1D-to-3D)を提供する。さらに、主骨格を維持したまま配位子の正電荷を利用したアニオン交換が容易である。第三物質の胞接および可逆的なアニオン交換を利用した複合材料化が期待できる。ラジカル解離型フォトクロミズムとして知られているヘキサアリールピスイミダゾールおよびその開裂体ローフィルラジカルをスピン機能単位として、共役組織化を試みた。すでに、塩素置換体の結晶内フォトクロミズムにおける光誘起ラジカル対の結晶構造解析に成功した。さらに、イミダゾリルラジカルのキノイドービラジカル原子価異性に着目した共役組織体、2量体、4量体、高分子を合成し、磁気特性について詳細に検討した。
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