研究課題/領域番号 |
11305065
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
高橋 孝志 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80110724)
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研究分担者 |
土井 隆行 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (90212076)
山田 晴夫 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (10175664)
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キーワード | ビタミンD_3 / 固相合成 / ライブラリー構築 / シリルリンカー / トリエン / Wittig反応 / アルキル化 |
研究概要 |
ビタミンD_3はCD環部位を中心にして、官能基化された側鎖部位とトリエン構造を含むA環部位がつながった構造を有している。最近の構造活性相関の研究により、このビタミンD_3側鎖やA環部の構造やコンホメーションが活性発現に重要な役割を果たしていることが明らかにされた。そこで、効率良いビタミンD_3誘導体ライブラリーの構築を目的とし、固相合成法を開発した。 11位に水酸基を有するCD環部をトリアルキルシランをリンカーに用いて固相(樹脂)に担持した。まず、固相に担持されたCD環の8位のケトンに対し、A環部をWittig反応で連結し、ビタミンD_3合成の際に問題となる9位のエピ化なしにA環からのトリエン部位を立体選択的に導入することに成功した。続いて、固相に単持されたA-CD環の22位のトシラートに対し、23位から27位に相当する側鎖のグリニヤール試薬を銅(I)を触媒に用いカップリングを検討した。その結果、問題となるトリエン部位の異性化を伴わず、低温下カップリング反応が進行し、望むビタミンD_3骨格を一挙に合成することに成功した。さらに水酸基の保護基であるシリル基の除去とともに、基質を固相から切断し、わずか3段階でビタミンD_3の固相合成を行える合成ルートを確立した。この方法を用いてA環、側鎖誘導体を組み合わせビタミンD_3化合物のライブラリー合成を達成した。
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