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2002 年度 実績報告書

カイコキモトリプシンインヒビターの生理機能に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11306005
研究機関九州大学

研究代表者

藤井 博  九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (10038268)

研究分担者 原 敏夫  九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (50117222)
麻生 陽一  九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (10117054)
河口 豊  九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (80038306)
伴野 豊  九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (50192711)
キーワードカイコ / Bombyx mori / キモトリプシンインヒビター(CI) / CI-bの精製 / CI-b1結合蛋白質 / 体液 / CI-13i遺伝子ゲノム解析 / CI-b1遺伝子ゲノム解析
研究概要

1.体液CIの遺伝子の構造と機能の解析:体液中に存在する16種類のCIのうち,Ict-H遺伝子に支配されているCI-b1は通常のゲル電気泳動では検出されないが、酸性ゲルで検出された。CI-b1はこれまでに明らかにされたCIに比べ塩基性のタンパク質であった。分離精製を行こない電気泳動的に均一な蛋白質として分離した。一方、CI-b1 CI-13の遺伝子をクローニングし、各々のcDNA塩基配列と遺伝子のゲノムの塩基配列を決定した。
CI-b1およびCI-13の遺伝子はともに2つのイントロンと3つのエクソンから構成されていた。CI-13とCI-b1の5'-franking領域を比べると、TATAとCCAAT boxes,さらに、NF-κB ; GATA ; C/EBP ; CI-13はCOUP-TF/HNF-4: RORα1 ; SRY ; HOXA3などの転写調節因子の結合部位が同定された。
しかしながら、翻訳開始コドンの上流293番目の塩基から約93塩基が欠失しており、したがって、CI-b1に存在しているNF-κB, GATA, C/EBP(抗菌物質誘導に関係する転写因子の結合部位である)領域が存在しなかった。CI-13の2つのイントロンにはBm1が各々1個づつ挿入されていた。しかし、CI-b1には、1つのイントロンにBm1が2つ挿入されていたが、他のイントロには挿入配列が認められなかった。以上の結果,CI-13とCI-b1は共にキモトリプシンを阻害するものの、生体内では機能的に異なった働きをしていると推察される。
2.CI-13と相互作用するタンパク質の検索:CII-13とCI-b1と相互作用するタンパク質を調べたところ、大腸菌及びLPSを注射したカイコ体液中にCI-b1と結合するタンパク質、31kDa,14kDaが誘導されることが明らかとなった。現在このタンパク質の精製を行っている。しかし、CI-13と反応するものは検出されなかった。
3.CI-13の卵内局在性:卵内のCI-13と反応する内在性プロテアーゼの検索を行ったところ、ゲル電気泳動でCI-13と同じ移動度にプロテアーゼを検出した。そこで、このプロテアーゼの精製を始めたが、酵素活性がきわめて弱く測定が困難であったので、活性測定のためのアッセイ系の確立を試みている。
4.CI-8レセプターの分離精製:リガンドアッセイ法を用いて、変態期における中腸組織に分子量60kDaのCI-8レセプターを見つけた。現在ゲルから切り出し、分離してN-末端分析に出しているが、微量のたために決定するに至っていない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Ujita M et al.: "Silkworm Bombyx mori 30-kDa Lipoproteins specifically bind to glucose-containinig carbohydrates"Bioscience, Biotechnology and Biochemistry. 66(10). 2264-2264 (2002)

  • [文献書誌] Tabunoki H et al.: "Isolation, characterization, and cDNA sequence of a carotenoid-binding protein from the silk gland of Bombyx mori"J. Biol. Chem. 277. 32133-32140 (2002)

  • [文献書誌] Kawaguchi Y et al.: "Morphological variation of the mircopylar apparatus Bombyx mori egg"Journal of Insect Biotechnology and Sericology. 71(1). 55-59 (2002)

  • [文献書誌] Ota A et al.: "Cloning and characterization of testis-specific tectin in Bombyx mori"Comparative Biochemistry and Physiology B. 133. 371-382 (2002)

  • [文献書誌] Ohmura T et al.: "Molecular cloning, functional expression and mutagenesis of cDNA encoding Rye(secale cereale)seed chitinase-c"Biosci, Biotechnol, Biochem. 66(2). 277-284 (2002)

  • [文献書誌] Neno K et al.: "Effects of guanidine hydrochloride on pyruvate dehydrogenase complex"J. Fac. Agr. Kyushu Univ. 46(1). 77-87 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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