研究課題/領域番号 |
11306014
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
農業経済学
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
倉内 宗一 東京農工大学, 農学部, 教授 (70143633)
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研究分担者 |
淵野 雄二郎 東京農工大学, 農学部, 助教授 (60015104)
倉本 器征 東京農工大学, 農学部, 教授 (50293014)
矢口 克也 東京農工大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (70302908)
野見山 敏雄 東京農工大学, 農学部, 助教授 (20242240)
小野 直達 東京農工大学, 農学部, 教授 (30015094)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | 農政改革 / 農業の国際化 / WTO / 農法 / 農業構造再編 / 開発輸入 / 環境保全型農業 / 食料政策 / Food policy |
研究概要 |
本研究で得られた成果は、著書・論文・報告書ですでに公表したものの他に、最終年度の「研究成果報告書」所収の論稿で示されているが、その概要を示せば次の通りである。 1、先進国の農業政策の変化に共通するのは「農業保護の削減」であり、その内容は、(1)消費者負担から納税者負担へ、(2)価格支持・間接所得支持から直接所得支持へ、(3)市場に対する中立性の確保、(4)小農保護から公共財保護へ、という方向が共通に見られることである。またそれを可能にした政治・経済的背景として、(1)農産物の過剰問題、(2)財政負担の増大、(3)農民の生活水準の向上、(4)農工間収益性格差(農業の不利性)の改善、が指摘出来る。開発途上国は、(1)農業・農村の開発政策がまだ農政の基調になっているが、(2)構造農政の推進が重要課題になりつつあること、(3)開発政策の中に近年環境対策も重要な位置を占めつつあることも把握出来た。このような農業政策の変化は、社会の新しい規範、あるいは倫理観の形成をともなうものであることも把握できた。我が国は保護費用負担に占める消費者負担の割合が高いこと、直接所得支持割合が低いこと、公共事業偏重であること、等の特徴が指摘できることもわかった。また農産物貿易ルール上の課題として、「正常な生産活動をとおしての多面的機能」が維持できるルール、また農産物貿易の対象から「不正常な生産活動による農産物」を、排除出来るルールの必要性が明らかにされた。またグローバリゼイションという農産物貿易の新しい段階をにらんでの、経済理論の発展が必要なことから、その検討も試みられた。 2、WTO(農業協定)体制下の我が国農業の持つ課題は多いが、稲作、畑作、畜産(草地)、養蚕・タバコについて、中山間地域の農業対策について、有機農産物の生産流通問題や、農産物の品質表示問題、等の幅広い内容について実態の把握と課題が明らかにされた。それを踏まえて我が国農業政策に求められる課題、また政策手法(制度)についての検討がなされた。本格的な構造改革と、環境保全型農業の確立、を基本的な課題としているが、その成立条件を戦後の生産力の展開過程とのかかわりで整理する試みも行われた。
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