研究分担者 |
野中 資博 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (60093655)
石黒 覚 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (30137244)
緒方 英彦 鳥取大学, 農学部, 助手 (90304203)
吉武 美孝 愛媛大学, 農学部, 教授 (20033326)
篠 和夫 高知大学, 農学部, 教授 (30036751)
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研究概要 |
服部・緒方は,砂防堰堤の劣化診断とコンクリート打設直後に鳥取西部地震を受けた農業集落排水タンクの鉄筋付着状態の実地調査を行った。また入手したフライアッシュとクリンカーアッシュがコンクリートの諸強度に及ぼす影響を検討すると共に,乾燥地のリーチング排水を人工的に実験室内に作り,コンクリートの耐硫酸塩性を検討した。 石黒は,籾殻灰がアルカリ骨材反応抑制と強度特性に及ぼす影響を検討し,抑制効果は結合材質量の内割で10%以上の混入が推奨できることと,圧縮強度の増加は粗いものより細かい籾殻灰を20%程度混入すると大きくなることを示した。 野中は,農業水利構造物の劣化メカニズムと劣化診断法を整理し,補修・補強方法を検討し,公共性の高い農業水利施設の維持管理に民間委託などの専門性の高いシステムを導入すべきであると提案している。 篠・松本は,日本で大量に入手可能な稲藁灰に着目し,そのコンクリート用混和材としての利用可能性を,炭素の含有量が少なく,2酸化珪素の含有量の多いものと,焼却時間が短く済み,生産量の高い方法を選択し,モルタル供試体を用いて強度などへの効果を検討した。稲藁灰混入率40%まででは40%が最も強度増進が大きかったが,高性能減水剤使用量が規程上限値を超えるため,検討の余地を残しているが,コンクリート混和材としては大いに期待できることが立証された。 吉武・小林は,昭和22年着工し同40年に完成した鹿児島県出水干拓堤防が季節風・台風による脆弱化が進んだため改修工事途次に2回の震害を受け,その震害調査と対策工の効果を検討した結果,液状化被害は潮止工付近が顕著であることと,液状化が懸念される基礎地盤上層部の砕石置換と小段部にカンターウエイトによる抑え盛土工法の有効性を立証した。
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