研究分担者 |
棟方 昭博 弘前大学, 医学部, 教授 (50003661)
菅原 和夫 弘前大学, 医学部, 教授 (80136788)
中路 重之 弘前大学, 医学部, 助教授 (10192220)
下山 克 弘前大学, 医学部, 助手 (50312492)
坂本 十一 弘前大学, 医学部・附属病院, 助手 (20292146)
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研究概要 |
難消化性澱粉は広義の食物繊維に含まれ,小腸で消化吸収されずに大腸に進み大腸癌に対し抑制的にはたらく短鎖脂肪酸産生の基質となる他,最近ではその存在が肥満に対して抑制効果をもつとの報告がある。本年はendoscopic retrograde bowel insertion method(ERBI)による回腸末端における回腸液の採取を行い,非消化の澱粉の割合を高めたcornstarch(HMT-HAS)のうち実際に回腸末端に達する難消化性澱粉の割合を算出し,in vitroで算出される割合と比較検討した。 実際には大腸内視鏡を回腸まで挿入し,ガイドワイヤーを使用してダブルルーメンチューブを回腸に挿入,バルーンを膨らませて固定した。回腸末端にPSP溶液を一定量持続的に注入しながら,チューブから回腸液を持続吸引し,HMT-HAS中の難消化性澱粉量を経時的に測定した。 経口摂取されたHMT-HASのうちのRS(回腸末端で回収された澱粉)の割合は平均で34.5%であった。この割合はin vitroでのα-amylaseを用いた消化実験で算出された70%よりもはるかに低い値であった。種々の食品に含まれる難消化性澱粉の割合を正確に評価するためには,ヒト消化管で消化吸収されない難消化性澱粉の割合を測定することが必要であると考えられた。 現在,同様の実験系によりリンゴに含まれるペクチンがどの程度消化吸収されずに回腸末端に到達するのか検討している。
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