研究課題/領域番号 |
11307005
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
福田 真作 弘前大学, 医学部附属病院, 助教授 (60261450)
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研究分担者 |
下山 克 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (50312492)
坂本 十一 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (20292146)
菅原 和夫 弘前大学, 医学部, 教授 (80136788)
棟方 昭博 弘前大学, 医学部, 教授 (50003661)
中路 重之 弘前大学, 医学部, 助教授 (10192220)
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キーワード | 食物繊維 / ペクチン / セルロース / 難消化性澱粉 / 消化吸収 / 呼気ガス / 腸内細菌 / カーボンサーティーン |
研究概要 |
平成14年度は以下二点の検討を行った。すなわち、(1)食物繊維(ペクチン、セルロース、難消化性澱粉)の大腸内における発酵・分解状況を、発酵・分解によって産生した呼気ガス(水素、メタン)を分析することで評価した。(2)^<13>C(カーボンサーティーン)を標識した中性脂肪と食物繊維(ペクチン、セルロース、難消化性澱粉)をともに投与し、^<13>C(カーボンサーティーン)を標識した中性脂肪に由来する呼気ガス(^<13>CO_2)を分析することで食物繊維の脂肪の消化吸収に及ぼす効果を評価した。その結果、(1)では、食物繊維による呼気ガスの産生が大略三つのパターンに分類された。すなわち、ペクチン、セルロース、難消化性澱粉ともに有意な呼気水素の上昇を認めたもの、ペクチンのみで呼気水素の有意な上昇を示した者、及びペクチン、セルロース、難消化性澱粉ともに有意な呼気水素の上昇を認めなかった者であった。メタンの有意な上昇を示す者は稀であった。これらのパターンは各個人の持つ腸内細菌の種類と量の相違によって生じたものであろうと推測された。したがって、このパターンを利用して各個人の大腸内細菌叢をパターン化する可能性が示唆された。(2)では、二種類の食物繊維(ペクチン、セルロース)の短期間投与では脂肪の吸収に有意な影響は及ぼさなかった。したがって、食物繊維の脂肪に対する消化吸収抑制作用は長期投与によってのみ発揮される可能性が示唆された。今年度をもって当初の計画通り4年間の研究が終了した。
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