研究課題/領域番号 |
11307006
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
荻野 景規 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (70204104)
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研究分担者 |
中島 円 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (10324071)
長瀬 博文 金沢大学, 医学系研究科, 講師 (00251918)
中村 裕之 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (30231476)
藤倉 義久 大分医科大学, 医学科, 教授 (10165368)
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キーワード | 好酸球ペルオキシダーゼ / ニトロチロシン / アトピー性皮膚炎 / 一酸化窒素(NO) / Ige |
研究概要 |
好酸球ペルオキシダーゼによるチロシンニトロ化の免疫組織学的方法論の確立を行った。すなわち、固定法により抗ニトロチロシン抗体陽性所見がことなることがわかり、固定法には十分注意する必要があることが判明した。この基礎的検討より、アトピー性皮膚炎発症Nc/Ngaマウスを用い、アトピー性皮膚炎発症時に、皮膚組織に浸潤する好酸球に、ニトロチロシン陽性細胞が多くなること、一酸化窒素(NO)合成酵素阻害剤の投与により血清IgEの上昇がみられ、病態が増悪する現象が認められた。すなわち、NOを始めとする活性窒素種は、アトピー性皮膚炎に対して防御的な役割を有しており、好酸球もその活性窒素種を消去する防御的役割を有している可能性が考えられた。このことは、スーパーオキシドの消去剤であるラジカットの投与によりIgeの抑制がみられることからも指示された。さらに、ヒト好酸球由来白血病細胞株(Eol-1)を用いて、分化誘導後、PMAとN02-添加によるニトロチロシン生成を検討した結果、好酸球ペルオキシダーゼによるH202とN02-を利用したチロシンニトロ化に必要なH202の由来に関して、細胞膜に存在するNADPHオキシダーゼの活性化に伴うスーパーオキシドからではなく、細胞内に存在する未知の酵素の活性化に伴うH202の生成が示唆された。このことは、NADPHオキシダーゼの構成成分であるp22PhoxのmRNAが発現していないことで確かめられた。
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