研究課題/領域番号 |
11307007
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
徳永 力雄 関西医科大学, 医学部, 教授 (40121959)
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研究分担者 |
古川 高子 関西医科大学, 医学部, 講師 (00221557)
圓藤 陽子 関西医科大学, 医学部, 講師 (50193438)
河野 比良夫 関西医科大学, 医学部, 講師 (30148522)
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キーワード | 内分泌撹乱化学物質 / 生殖毒性 / エストロゲン |
研究概要 |
昨年度は、ヒトのエストロゲン受容体を発現させた酵母および動物細胞を用いた転写活性の測定系を用いて、エストロゲン様活性を示すことが報告されている天然化学物質等について様々な検討を加えた結果、ブドウ果皮等に含まれる天然化学物質であるレスベラトロールが、単独での活性およびエストラジオール共存下での相加性について、酵母と動物細胞においてでは、異なる挙動を示すことを見いだした。この現象はエストロゲン受容体そのものの普遍的性質によるのではなく、エストロゲン受容体を介した転写活性化に関る転写共役因子の種類および性質が、動物細胞と酵母の間で異なることに由来する可能性が示唆されたため、今年度は各種動物細胞を用いてさらに詳細な検討を加えた。その結果、エストラジオール共存下でのレスベラトロールの挙動は動物細胞によって異なり、相加性を示すものとエストラジオールの活性を低下させるものが認められた。 さらに、内分泌撹乱物質の作用機構についての解析を、より簡便に行うための手段として、分泌型アルカリ・フォスファターゼをレポーターに用いた転写活性の測定系の確立を試みた。従来より一般に用いられているルシフェラーゼをレポーターに用いた転写活性測定系に比べて、多数の検体の測定を容易に行うことが可能であった。一方、転写活性の連続的かつ経時的に追跡することを目的として、GFP(Green Fluorescence Protein)を組み込まれたレポーター遺伝子を動物細胞株に導入し、その染色体に組み込まれた細胞を選択・単離を試みた。これにより、ホルモン依存的なGFP発現の観察が可能な解析系の確立を目指している。
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