研究課題/領域番号 |
11307008
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
勝又 義直 名古屋大学, 医学部, 教授 (30109326)
|
研究分担者 |
伊東 研祐 名古屋大学, 法学部, 教授 (00107492)
打樋 利英子 名古屋大学, 医学部, 教授 (20223571)
山本 敏充 名古屋大学, 医学部, 助教授 (50260592)
ぬで島 次郎 三菱化学生命科学研究所, 社会生命科学研究室, 主任研究員
尾畑 伸明 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 助教授 (10169360)
|
キーワード | 親子鑑定 / データベース / ガイドライン / STR |
研究概要 |
我が国の親子鑑定は、これまで主として大学の法医学教室で実施されてきたが、最近民間企業が郵送資料による親子鑑定の受託業務を開始し、以降他の企業数社が同様のサービスを始めた。これらの企業の中には、無責任な鑑定を行っているものも見られ、この状況を新聞広告やインターネット上で調査し、また、欧米諸国におけるその動向や親子鑑定のガイドライン等について調査し、その結果を倫理的、法的、社会的側面から検討し、第83次日本法医学会総会で発表した。その結果をふまえて日本法医学会親子鑑定ワーキンググループでガイドラインが作成された。 確率計算をするために必要な日本人のアリル頻度のデータベースを作成する上で、ハーディ・ワインベルグ平衡の検定法をいかに取り扱うかをまとめ、日本法医学雑誌に掲載された。また、本土人とは、多少集団遺伝学的に異なるとされる琉球人について、アリル頻度調査を行い、STRのローカスによっては有意差があることを日本DNA多型学会第8回学術集会で発表した。 さらに、突然変異率の高いSTRを用いて親子鑑定を行った場合に生じた孤立否定例について、その事例を紹介し、また、その取り扱い方について検討した報告を、第18回国際法医血液遺伝学会で発表した。現在では、FBIで採用されている13STRローカスをタイピングするキットが市販されており、通常の親子鑑定の場合には十分であるが、より複雑な同胞鑑定などの第2度の血縁関係を調べるために必要な日本人に適したSTRローカスを選定すべく、いくつかのSTRローカスについてアリル頻度調査を行い、その結果はLegal Medecineなどの雑誌に掲載された。今後、さらに検討し、日本人により適したSTRをタイピングする新しいマルチプレックスシステムも作成し、日本における親子鑑定の望ましいシステムを確立する予定である。
|