研究課題/領域番号 |
11307013
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
堀 正二 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20124779)
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研究分担者 |
北風 政史 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20294069)
佐藤 秀幸 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70167435)
葛谷 恒彦 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (80150340)
西田 昌司 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40283783)
佐藤 洋 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10294092)
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キーワード | 心筋保護 / プレコンディショニング / アデノシン / Mn-SOD / カリウムチャネル / カルシウム拮抗薬 |
研究概要 |
われわれは、虚血負荷に対する心臓の適応現象(プレコンディショニング現象)を研究する過程において、種々の物理負荷に対して心臓が酸化的ストレスの増大を共通のシグナルとして感知して、臓器におけるアデノシン、ならびに、ミトコンドリアMn-SODを耐性現象のエフェクター分子として合成、誘導し、虚血-再灌流耐性を獲得することを見出した。これらの知見に基づき、本申請研究においては、心臓の内因性ストレス応答による負荷適応の分子・細胞機構を解明するとともに、虚血性心疾患、ならびに心不全の予防・治療策の開発・臨床応用を目的として検討を開始した。初年度においては、まず、従来の細胞、動物実験レベルでの知見をふまえて、臨床症例におけるプレコンディショニング現象の解析、および、臨床症例において投与可能な薬剤による心筋保護効果の解析を行った。その結果、前駆する狭心症を持つ心筋梗塞症例では心筋障害が減弱されていることを確認するとともに、アデノシン関連のATP、アデノシン代謝酵素修飾剤やK-ATPチャンネル開口薬であるニコランジル、カルシウム拮抗剤などの薬剤によっても心筋保護効果を生じることを明らかにした。個々の薬剤は従来より基礎検討においてプレコンディショニング現象を惹起することが知られていることから、これらの結果は、ヒト虚血性心疾患においても心臓の適応現象によって虚血耐性を誘導しうること、また、薬剤によるプレコンディショニングが可能であることを示唆している。
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