研究課題/領域番号 |
11307022
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山岡 義生 京都大学, 医学研究科, 教授 (90089102)
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研究分担者 |
山本 成尚 京都大学, 医学研究科, 助手 (30253298)
山本 雄造 京都大学, 医学研究科, 講師 (70281730)
嶌原 康行 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30196498)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | 肝再生 / 肝切除 / レプチン / 肝硬変 / シグナル伝達 / 遺伝子 / 線維化 / 肝虚血耐性 / reperfusion |
研究概要 |
肝切除症例35例にて血中レプチン濃度はBMIと男女ともr=0.73と正の相関を認めた。術前体脂肪率とレプチンは女性でr=0.72と相関したが、男性ではr=0.48と相関しなかった。肝硬変の程度とレプチンに関しても相関関係をみず、海外で報告されるアルコール性肝硬変におけるレプチン上昇という報告とは異なった。糖尿病の男性においてレプチン濃度が有意に高かったが(P=0.0127)、OGTT120分値とレプチンに関連はみられなかった。術後肝再生率とレプチンでは女性でみr-0.88と強い負の相関が存在した。これは女性患者においてのみレプチンが肝再生能を抑制する可能性を示唆するものであり、今後、女性ホルモンとレプチンの関係が興味深い。基礎的研究としては、ラット肝硬変モデルで血中レプチン濃度は肝硬変の程度とは相関しなかった。RT-PCRにて肝臓におけるOb-Rの発現を確認した。硬変肝においては正常肝よりもOb-Raの発現は低下していたが、より機能性の高いisotypeであるOb-Rbの発現は確認できなかった。また、星細胞の活性化・筋線維芽細胞化が硬変肝の主要因とされているが、肝細胞を星細胞と共培養することによって、肝細胞の増殖を促進できることを確認した。70%肝切除モデルでは肝再生時にまず星細胞の活性化がおこり、HSP47の誘導が引き続いて、その後に再生のためのマトリックス構築に必要なコラーゲンの合成が行われることがわかった。その他、肝の線維化を抑制する方法として、N-acetyl-L-cysteineの投与が有効であり、熱ショック前処置や、Rac1のdominant negative mutantの遺伝子導入がNF-kBの活性化を抑制して、虚血障害やそれに続く炎症性変化を軽減する効果のあることが判明した。
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