研究課題/領域番号 |
11307023
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
佐々木 富男 群馬大学, 医学部, 教授 (10134561)
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研究分担者 |
栗原 秀行 群馬大学, 医学部, 講師 (30261853)
多久和 陽 金沢大学, 医学部, 教授 (60171592)
小濱 一弘 群馬大学, 医学部, 教授 (30101116)
根岸 正敏 群馬大学, 医学部, 助手 (80272235)
高橋 章夫 群馬大学, 医学部, 助手 (60261856)
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キーワード | cerebral vasospasm / vascular smooth muscle / rho kinase / myosin light chain kinase / myosin binding subunit / phosphorylation / calcium sensitization / sphingosine 1-phosphate |
研究概要 |
血管の収縮およびその維持機構として、近年Rho kinaseを介した収縮起序が注目されている。我々は脳血管におけるRho kinase cascadeの役割を収縮と細胞内Ca2+の変化から検討してきた。 今年度は正常血管において、各種収縮物質投与による収縮時、Rho kinase inhibitorであるY-27632による弛緩時の各段階で、ミオシン軽鎖(MLC-20)、myosin phosphataseの活性化部位であるmyosin binding subunit(MBS)のリン酸化程度をWestern blot法にて定量した。正常血管において高濃度KC1、endothelin-1、prostaglandin F2α、TXA2 analogueのU-46619、Rho kinase activatorのsphingosylphosphorylcholineによる収縮ではMLC-20、MBSともにリン酸化が亢進していることが判明した。これらのリン酸化はY-27632ni投与により有意に抑制された。一方PKC activatorのphorbor esterのphorbor esterによる収縮でもMLC-20、MBSともにリン酸化は亢進していたが、Y-27632に投与ではリン酸化の抑制はみられなかった。このことから、タンパクレベルでもRho kinaseがPKC系とは別個にCa2+感受性亢進のメカニズムを介し脳血管の収縮に深く関与していることが判明した。 さらにこのRho/Rho kinase系を活性化させる上流物質のなかで、新しい脳血管攣縮の原因物質を探求することも合わせて行った。我々はlysophospholipidの一つで、凝固過程で血小板から放出されるsphingosine 1-Phosphate (S1P)に着目し、このS1Pが、脳血管攣縮の新しい原因物質である可能性を報告した。
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