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2000 年度 実績報告書

前立腺癌における転移抑制遺伝子の同定と癌進展の解析

研究課題

研究課題/領域番号 11307029
研究機関千葉大学

研究代表者

市川 智彦  千葉大学, 医学部・附属病院, 講師 (20241953)

キーワード前立腺癌 / 転移 / 転移抑制遺伝子 / 遺伝子クローニング
研究概要

前立腺癌の進展に関連した抑制遺伝子を臨床検体からクローニングすることは、その手術症例数が比較的少ないことや癌組織の採取が難しいこと、また癌組織における癌細胞やその組織構築の多様性などにより非常に困難である。我々は肺に高率に転移するラット前立腺癌細胞にヒト染色体を1本導入し、その肺転移能などの性状の変化を指標としながら転移抑制遺伝子をクローニングする方法を開発した。前立腺癌の転移を抑制する遺伝子をクローニングすることができれば、癌の悪性度の診断や、将来的には遺伝子治療にも応用できる可能性がある。
この方法を用いて8p21-p12に転移抑制遺伝子が存在することを示したが、本研究では70万塩基対程度まで転移抑制遺伝子の存在する領域を限局し、その領域をバクテリア人工染色体にクローニングした。さらに転移抑制遺伝子を含むと思われる約60Kbのバクテリア人工染色体を同定した。塩基配列を解析したところ、そこには1個の未知の遺伝子が存在しており、その遺伝子全長を含むcDNAを単離した。
前立腺癌臨床検体の解析について、我々の施設における結果や海外における報告例をまとめると、第8番染色体の短腕のLOHの他、第10、13、16、18番染色体などにおいてもLOHが高率に認められており、癌進展との関連性を示すことができた。しかし、癌の進展は、LOHのような染色体の欠失のみでなく、遺伝子の増幅や染色体の増加によっても生じることが示されている。これらの増幅や増加を検出するには、従来行ってきたPCR法を用いたLOH解析では不可能であるため、comparative genomic hybridization(CGH)法を用いて、PCR法では解析できなかった染色体の増幅についても解析した。その結果、一部の症例では8番染色体長腕の増幅が生じていることがわかった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Ichikawa,T., et al.: "Role of chromosomal loss in the progression of prostate cancer."Int.J.Clin.Oncol. . 5(6). 345-354 (2000)

  • [文献書誌] Ichikawa,T., et al.: "Mapping of metastasis suppressor genes for prostate cancer by microcell-mediated chromosome tranfer,"Asian J.Androl.. 2(3). 167-171 (2000)

  • [文献書誌] Furuya,Y., et al.: "Changes in serum prostate-specific antigen following prostatectomy in patients with benign postate hyperplasia."Int.J.Urol.. 7(6). 447-451 (2000)

  • [文献書誌] 市川智彦: "前立腺癌の癌化と再燃のメカニズム"臨床と研究. 77(3). 18-22 (2000)

  • [文献書誌] 市川智彦: "前立腺癌の発癌機序と再燃機序癌遺伝子・癌抑制遺伝子の異常"日本臨床. 58(増刊). 41-44 (2000)

  • [文献書誌] 市川智彦: "アンドロゲン受容体の遺伝子の変異"Biotherapy. 14(7). 682-689 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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