• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2000 年度 実績報告書

歯周病におけるプロテアーゼ機能と生体反応に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 11307042
研究機関九州大学

研究代表者

山本 健二  九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (40091326)

研究分担者 岡元 邦彰  九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (10311846)
筑波 隆幸  九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (30264055)
キーワード歯周病 / プロテアーゼ機能 / ジンジバリス菌 / Arg-gingipain / Lys-gingipain / システインプロテアーゼ / 生存戦略 / アミノ酸・ヘム獲得
研究概要

これまでにプロテアーゼの活性制御系の不調による疾患が数多く報告されており、歯科領域で重要視されている歯周病もその一つである。歯周病は歯槽骨を含む歯周組織の広範囲な破壊を特徴としており、宿主細胞ならびに口腔細菌由来のプロテアーゼの関与が考えられる。筆者らは、これまでの研究から、歯肉縁下ブラーク中に存在するグラム陰性嫌気性細菌Porphyromonas gingivalis(以下ジンジバリス菌)が産生する主要なシステイプロテアーゼ[Arg-gingipain(Rgp)とLys-gingipain(Kgp)]と宿主細胞由来のリソソーム性プロテアーゼ(カテプシB,G,メダラシン)の本疾患への関与を示唆してきた。しかし、これまでの研究にもかかわらず、歯周病におけるプロテアーゼ反応の基本的で重要な問題の多くは依然として解決されていない。例えば、RgpやKgpは宿主に対しては強力な病原性因子として破壊作用を発揮するが、菌自身には病原性を示すことはなく、むしろ有用である。ジンジバリス菌はどのようにしてこのような破壊的なプロテアーゼから自身を守っているのであろうか。一方、宿主由来プロテアーゼは本来生体にとって必要な酵素のはずであるが、歯周病の局所ではむしろ有害作用を発揮している。こうした炎症局所における宿主プロテアーゼの活性制御系の破綻はどのように起こっているのであろうが。本年度の研究では、ジンジバリス菌の生育・増殖に必須のエネルギー源・栄養源の獲得はRgpおよびKgpによって担われていること、本菌の生存戦略として保有している血球凝集ならびにヘモグロビン結合などの機構において両酵素は必須であることが、酵素欠損変異体やそれぞれの酵素に対する特異的阻害剤を用いた実験から明らかにされた。

  • 研究成果

    (10件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (10件)

  • [文献書誌] 山本健二: "歯周病原細菌のタンパク質分解酵素を介する生存戦略"蛋白核酸酵素. (印刷中). (2001)

  • [文献書誌] Baba A. et al.: "Arg-ginipain is Responsible for degradation of cell adhesion molecules of human gingival fibroblasts and their death induced by porphyromonas gingivalis"Biol.Chem.. (in press). (2001)

  • [文献書誌] Kadowaki T. et al.: "Porpyromonas gingivalis proteinases as virulence determinants in progression of periodontal diseases."J.Biochem.. 128. 153-159 (2000)

  • [文献書誌] Abe N. et al.: "Design and synthesis of sensitive fluoregenic substrates specific for Lys-gingipain."J.Biochem.. 128. 877-881 (2000)

  • [文献書誌] Morikawa W. et al.: "Angiostatin generation by cathepsin D secreted by human prostate carcinoma cells."J.Biol.Chem.. 275. 38912-38920 (2000)

  • [文献書誌] Kitano S. et al.: "Suppression of gingival inflammation induced by Porphyromonas gingivalis in rats by leupeptin."Jpn J.Pharmacol.. 84. 54-91 (2000)

  • [文献書誌] 山本健二: "歯周病の分子機構:病原性プロテアーゼの機能はどこまで明らかにされたか"細胞工学. 19. 295-301 (2000)

  • [文献書誌] 山本健二: "酵素ハンドブック"朝倉書店(印刷中). (2001)

  • [文献書誌] 山本健二: "「大学と科学」公開シンポジウム"クバプロ(印刷中). (2001)

  • [文献書誌] 山本健二: "歯周病とプロテアーゼ-歯周病原細菌のヘムおよびアミノ酸獲得機序タンパク質分解-分子機構と細胞機能"シュプリンガー・フェアラーク東京. 185-192 (2000)

URL: 

公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi