研究分担者 |
高水 正明 鶴見大学, 歯学部, 助教授 (30089411)
新谷 英章 広島大学, 歯学部, 教授 (80034239)
加藤 喜郎 日本歯科大学, 新潟歯学部, 教授 (20060452)
二階堂 徹 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (00251538)
福島 正義 新潟大学, 歯学部・付属病院, 講師 (30156773)
|
研究概要 |
変色歯,着色歯について国内における分布状況を調査した.また年齢,テトラサイクリン系抗生物質の生産量の推移との関係についての調査を行った.この結果より分布範囲については受診した258名の患者について地域差は認められなかった.テトラサイクリンの隼産量が多い1960年後半に出生した患者が多く,生産量と患者年齢分布が一致していることが判明した. テトラサイクリンの使用は歯の変色の原因であると言われていたが、テトラサイクリン溶液をハイドロキシアパタイトに作用させることにより,アパタイトに吸着することが明らかになった.さらにテトラサイクリン吸着試料に紫外線照射することにより,アパタイトの明度の低下が有意に認められたことが判明した. さらに永久歯の変色についてゼーマン原子吸光光度計で分析を行ったところ,鉄(Fe),およびマグネシウム(Mg)が減少し,亜鉛(Zn)が有意に増加していることがわかった. また,エナメル質表層の着色部,透明部とに分けたアミノ酸分析の結果は,Glu, Ala, Tyr等のアミノ酸組成が異なり,また細菌由来のD体が占める割合が多く,細菌叢の違いが着色に関与していることが判明した. 変色歯・着色歯の表層を削去,修復するラミネート修復は,変色歯に対して箔圧接法および築盛・焼成法によりラミネートベニア修復を行った臨床例の経過観察、評価を行い,ラミネートベニアの10年経過例はおおむね良好であることが分かった. 変色歯の実態調査で得た結果より変色歯の色調分類を行い、その色調を模型材に再現し、色調を加味した模型材を背景色としてCAD/CAMシステムで作製したベニアによる色遮蔽効果について評価を行った。変色歯の色調と一体化した自然な色調を表現する上で,本法の有用性は極めて高く,変色歯の持つ部分的な着色や微妙な色調の濃淡を再現するには,着色した耐火模型に耐熱性の色鉛筆で修飾する方法を組み合わせることによって細かい着色が可能となり,色調表現が更に容易になることが判明した.
|