研究分担者 |
安孫子 宜光 日本大学, 松戸・歯学部, 教授 (70050086)
西原 達次 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (80192251)
川浪 雅光 北海道大学, 歯学部, 教授 (10133761)
宮崎 秀夫 新潟大学, 歯学部, 教授 (00157629)
吉江 弘正 新潟大学, 歯学部, 教授 (20143787)
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研究概要 |
1.全身状態の変化に関する研究実績 (1)免疫学的機能と歯周組織状態との関連性:FcgRIIIb-NA1アレルが歯周炎抵抗性と関連していること(吉江・宮崎),残存歯が多い高齢者群では少ない高齢者群に比較して血清総IgG2量が有意に高いことが明らかになった(中島)。 (2)骨密度と歯周組織状態との関連性:健康な歯周組織を有する歯を維持することは腰椎骨骨密度の維持に貢献していることが示唆された(新田)。 (3)全身疾患と歯周組織修復との関連性:ラットに吸収性膜を用いたGBR法を行った結果から,年齢や骨の粗鬆度が進行した状態に関わらず歯周組織再生効果が期待されることが示唆された(太田)。 (4)加齢と歯周組織再生能との関連性:口蓋部骨膜下組織では,移植したBMPによる骨形成促進作用については加齢による影響をあまり受けないことが示唆された(川浪)。 2.歯周組織および構成細胞の変化に関する研究業績 (1)歯周組織由来細胞の歯周病原性細菌に対する反応性の変化:マウス肺胞マクロファージを調製してA.actinomycetemcomitansを感染させたところ,アポトーシスによる細胞死が亢進することが明らかになった(小鷲・西原)。 (2)歯周組織のコラーゲン改造機構の変化:同一歯から調製したヒト歯肉および歯根膜由来線維芽細胞の培養系を用いてエラスチンとフィブリリンの発現を比較検討した結果,両者には機能的差異がありそれが生体組織にも反映されていることが明らかになった(矢嶋)。 (3)歯周組織細胞の細胞生物学的機能変化:低出力レーザー照射の生物学的効果の機序解明と受動免疫療法に安全で有用なヒト型抗体の開発を試みた結果,レーザー治療による細胞増殖の促進、炎症抑制,骨吸収抑制機序の一端が解明され,モノクローナル抗体による歯周病原菌の感染制御の可能性も示唆された(安孫子)。 (4)歯根膜の恒常生維持におけるマラッセ上皮の役割:セメント質修復の過程においてAmeloblastin, OPNおよびBMP-2を発現していることから,マラッセ上皮遺残は発生過程のセメント質形成に深く関与していることが示唆された(小川)。
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