研究課題/領域番号 |
11307053
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
嶋田 一夫 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (70196476)
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研究分担者 |
高橋 栄夫 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (60265717)
加藤 晃一 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 講師 (20211849)
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キーワード | イオンチャネル / ブロッカー / NMR / 立体構造 |
研究概要 |
生体膜をとおるイオンの流れは、生体にとって特に神経系において最も重要なシグナルである。イオンチャネルは、そのイオンの流れを調節する。イオンチャネルの一次構造は長い間不明であったが、近年、生化学的、分子生物学的研究の進展により、その構造が明らかとなった。さらに、イオンチャネルのチャネルポアー、イオン選択フィルターおよびゲーティングなどの機能が、一次構造上のどの部位に存在するかも解明されつつある。 これを可能にしたものが、自然界に存在する毒物:チャネルブロッカーであり、その作用の仕方により、イオンチャネルの分類がなされている。また、これらのチャネルブロッカーを用いた、イオンチャネルの単離・精製も活発に行われている。しかしながら、これらのチャネルブロッカーがイオンチャネル分子に作用する原子レベルでの機構は未だ十分に解明されていない。 本年度は、Kチャンネルゲーティングモディファイアーであるハナトキシンの化学合成を行い、ネーティブペプチドと同様の活性を持つことを確認した後、その立体構造を核磁気共鳴法により決定した。その結果、ハナトキシンは、シスチンノットモチーフを有し、表面に顕著な疎水領域を有していることが判明した。さらにその疎水領域を用いてチャネル分子と相互作用していることが示唆された。
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