研究概要 |
本年度は2年継続研究の最終年度に当たるので、資料収集と分析整理に集中し、成果をまとめ国内外で中間発表をした。 1.手話文例収集:昨年度に引き続きろう者2名、コーダ1名をモデルとして手話資料を追加録画した。 2.録画資料記述と記述ツール開発:手入力による時間を節約し入力時のエラーをなくすため、録画資料を記述するためのツールを2種類独自開発した。うち1つは他の分野への応用性があるため特許申請した。同ツールを利用して収集した資料を記述するため、合計5回(4.1,4.29,6.4,7.1,10.1)の合宿作業を実施した。記述に当たっては手話者の直観を正しく記述し、また客観資料としての価値をもたせるため、研究者全員参加による討議をしながら進めた。また先験的に定めた記述法を実証的に改良した。 3.資料分析と辞書化:記述した資料を元に先に発表した語彙記述法sIGNDEX V.1の後継として文記述法sIGNDEX V.2を考案し、国際手話理論学会(オランダ7月)及びヒューマンインタフェース学会(筑波9月)で成果の中間発表をした。本研究グループ主催による手話情報学研究会(年4回)において分担研究の進捗状況を確認しつつ記述内容を検討した。 4.手話電子化辞書拡充:これまで語彙のみであった手話電子化辞書に例文を搭載し、手話の文法標識であるNMS(非手指信号)の記述を可能にしたことで、機械による手話認識、手話機械翻訳の基礎となる手話データベースを提供できた。
|