研究課題
基盤研究(A)
日本をはじめ先進各国において、教育分野における高度情報通信技術(ICT)の果たす役割について期待が高まっている。その一方で、ICTの教育・学習に与える影響については解明されない点は多く、その調査・研究が待たれるところである。こうした問いに答えるべく、OECDでは、本年度よりOECD/CERI(教育研究革新センター)を中心に、"ICT AND THE QUALITY OF LEARNING"プロジェクトを立ち上げることとなった。本プロジェクトでは、(1)教育ソフトウエアの品質を保証するシステムと品質基準の確立(第1部会)、(2)最新ICTを活用した教育の実践例の収集およびICTの教育/学習におよぼす影響に関する実験的研究(第3部会)、を実施しているところである。今年度、本研究課題では、OECD/CERI同プロジェクトに対する日本側作業部会の機能を整備したほか、わが国においても緊急の課題である、(1)および(2)の課題について実証的研究を開始した。国内での研究会を開催し、研究方法に関する協議を行い、調査・実験の方法的基盤を整備した。また、OECD主催の全体会合である国際セミナーのほか、同第1部会専門家会合(2回)、同第3部会専門家会合(3回)に分担して出席、各国代表と意見の交換を行った。この結果、OECD加盟国の動きと歩調をあわせ、また同機関の研究プロジェクトと整合性のある、適切な手法と枠組を確立することができた。また、これと関連し、欧米および大洋州の先進事例を調査した。さらに、研究分担者ごとに、メディア、システム、コンテンツ、学習対象者の異なる特色あるテーマについて実証的研究を実施した。こうしたテーマとして、初等中等教育・特殊教育におけるICT利用のケース研究、同じく擬似実験的・実験的研究、国内外の「教育ソフトウエアの品質評価システム」の収集分析と評価基準の評価に関する研究などがある。
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