研究分担者 |
工藤 博章 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (70283421)
山村 毅 愛知県立大学, 情報科学部, 助教授 (00242826)
向井 利春 理化学研究所, BMC研究センター, チームリーダー (80281632)
松本 哲也 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (40252275)
竹内 義則 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (60324464)
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研究概要 |
新生児は,口の動きと音声を対応付けることができ,これにより話す能力を獲得する.本研究では,視覚や聴覚などの異なる感覚器で観察される事象を対応付ける方法と,それに基づいて知識を獲得する過程を,研究した. まず,異種感覚群化の法則を整理・分類した.群化の法則を参考にし,動きと音のリズムの類同性,運動方向の変化とオンセツトの一致などの,異種感覚間での対応の一般的手がかり(クロスモーダルグルーピング)を考案した.さらに,対象物体が環境内を移動する場合でも,視聴覚事象の対応付けが可能となるように,時空間不変量を導入した. つぎに,知識獲得における能動性について検討した.選択的注意による情報処理負荷の低減,環境への能動的な働きかけの結果としてのフィードバック情報の利用の点で,能動的獲得が,受動的獲得に比べ,有用でかつ優れていることを明らかにした. そして,能動的視聴覚観察システムを製作した.システムは,カメラとマイクロンホンを備えた疑似頭部,外界に働きかける腕であるマニピュレータからなる.マイクやカメラによる観察と,感覚情報処理結果に基づいて決定された頭部やマニピュレータの運動とを繰り返すこと(知覚循環)により,シーンの理解を深められるような,ソフトウェアを開発した. 開発した手法の妥当性を調べるために,観察システムを用いた実環境(2つの音を発生する運動物体)での実験を行い,提案手法の有効性を確認した.
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