研究課題/領域番号 |
11308015
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
核融合学
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
一政 祐輔 茨城大学, 理学部, 教授 (30007760)
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研究分担者 |
伊藤 明弘 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (60034633)
百島 則幸 熊本大学, 理学部, 教授 (80128107)
斉藤 眞弘 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (40027454)
渡邊 敦光 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (00034653)
小松 賢志 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (80124577)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | トリチウム / 環境トリチウム / 線量評価 / 野外放出実験 / 生物影響 |
研究概要 |
1)トリチウムが事故で環境へ放出された際に周辺環境はバックグラウンドのトリチウム濃度の何倍まで上昇するかを計算するのに、UFOTRIを用いて試算した。100mのスタックから1Bq/secで1時間放出すると風下2Kmに最大地点が発生すると仮定してその線量は8E-16から1.9E-15Svになる。線量に幅があるのは気温と湿度とによると考える。今後の検討が必要である。 2)施設内で作業者の安全を確保する手だてを原子炉でのトリチウム放射線のモニタリングから推察した。作業環境で高濃度のトリチウムの漏洩が想定される場合はスタックでの定期モニタリングだけでなく作業環境に近い室内のモニタリングが作業者の安全の確保に必要であること、またスタックで実施されている濃度モニタリングの結果は短期間の作業環境においては空気濃度の30から40倍になることを見込んでおく方がよいことを示唆した。 3)年間50mSvの被曝では本当に安全は確保されているか。また施設周辺で年間1mSvの被曝を受けつずけても身体的影響は確保されているか。問題点を提案する。自然放射線から受ける年間線量は日本人では1.5mSvであり、世界の平均では2.4mSvである。また、医療被曝が日本人では年間平均で2.3mSvである。トリチウム水を例にあげると、1mSvは約6x107Bqを摂取した場合に受ける線量であり、また摂取する全ての飲食物中の水分が60Bq/mlの濃度であるときにもたらされる線量である。マウスを用いた身体的影響研究では約6x107Bqのトリチウムを分割投与した場合は問題ないが、一回投与では生理的な正常範囲の限度と思われるデータが予備的に得られた。50mSvの線量も汚染の形式によって変化する。 4)現在、事故時の環境汚染の状況をモデルでどこまで予測出来るのかを実験を通して検証し、今後の研究課題を明らかにすることを計画した。ヨーロッパで放射性核種の環境動態モデルを研究しているルーマニアの研究者を招聘して、野外実験の計画を立案した。本年度は植物の生育時期の違いによるトリチウムの食物への移行係数の研究を行った。今後の研究の条件が整えば先ずモデルのコンパートメントに米を入れることにした。次には魚介類を取り込むことを計画した。
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