研究課題/領域番号 |
11308016
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
核融合学
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
中村 幸男 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (40136560)
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研究分担者 |
森崎 友宏 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (60280591)
増崎 貴 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (80280593)
鈴木 肇 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (20260044)
大薮 修義 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (60203949)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | ダイバータ排気 / 中性粒子制御 / メンブレンポンプ / 水素の選択的透過 / 水素吸蔵と保持 |
研究概要 |
定常高温プラズマ生成のための周辺中性粒子制御法として注目されている新しい排気法であるメンブレンポンプの核融合装置への適用に関する研究を進めるために、平成11年度は大型の真空テストチャンバーを整備し、各種のメンブレン実験が可能になった。以前の装置との組み合わせで、メンブレン表面への不純物堆積がメンブレン水素透過特性にどのように影響するかを調査し、金属及び炭素不純物が堆積すると透過特性が劣化することが分かった。また、高温加熱により不純物は金属内部へ溶解し、メンブレン特性は回復できることも分かった。平成12年度になって常温付近でのメンブレン特性を調査するべくECRプラズマ源を整備して平板メンブレンで透過特性を調べたところ、温度の低下と共に水素の透過速度が大幅に小さくなることが分かった。常温付近でメンブレンを使用するにはこの透過速度を大きくするためにメンブレン表面の不純物による水素透過に対するポテンシャルを粒子入射側と放出側で大きな非対称を作ることが必要であることが分かった。平成13年度には核融合実験装置へのメンブレンポンプの適用としてニオブパネルを検討し、実機パネルを用いた性能試験と基礎実験を実施した。常温のニオブパネルはアトマイザーで生成された水素原子を吸蔵し、再放出することなく大量の水素(120Pam^3)を吸蔵できることを実証した。また、水素吸蔵能力としては7x10^<19>cm^<-2>s^<-1>まで十分に可能であることが示された。さらに、ニオブパネルの表面での水素の再結合係数を実験的に求め、パネルポンプとしての性能評価が精度よく行えることを示すことが出来た。これは今後のパネルポンプの核融合装置への適用における設計製作に大いに役立つものである。最終年度にはこのニオブパネルを実際にLHDに設置し、プラズマ実験時に吸蔵される水素量を評価することが出来た。プラズマパラメーター等との関係については今後の解析を待たなければならないが、ニオブパネルの実機への適用性を実証できたことは大きな成果であると言える。
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