研究分担者 |
斉藤 実篤 東京大学, 海洋研究所, 助手 (40292859)
望月 公広 東京大学, 海洋研究所, 助手 (80292861)
平 朝彦 東京大学, 海洋研究所, 教授 (50112272)
村山 雅史 高知大学, 海洋コア研究センター, 助教授 (50261350)
芦寿 一郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (40251409)
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研究概要 |
本研究の目的は深海曳航式探査とピストン・コア採泥を,高精度水中測位法と組み合わせることにより,以下の2点を可能にすることである. 1)陸上・浅海域と同様な制度を持つ深海活断層の探査法を初めて構築する.2)近未来に巨大地震の発生が予想される東海沖において,活断層のキャラクタリゼーションを行う.本年度は,平成11年度に構築した新しい探査法を用いた実海域調査を実施した.調査はまず,遠州断層を横切る測線で深海曳航式探査により断層の3次元構造図を作成し,次に,構造図を用いて決定された2地点(断層を挟む)から,断層により変位した地層をピストン・コアラーで採泥する予定であった.しかし,遠州断層海域の水深が千数百mを深いため,まず,水深が200-600mの三宅島から神津島海域で深海曳航式探査を実施した.その結果,数百mからm規模の波高を持つサンドウェーブの分布と形態が,音響画像,コンター間隔1mの海底地形図,さらに地殻断面でイメージングすることが出来た.しかし,深海曳航体の位置の決定精度は受波のノイズレベルが高いため数m以上であり,目標としたm前後の精度を達成することが出来なかった.陸上・浅海域の活断層探査と同等な精度を持つ探査を,深海で可能とするためには不可欠であるが,遠州断層海域の水深は千数百mをm前後であることから,位置の精度はさらに低いなることが推測された.従って,位置精度の改良に専念するため,遠州断層海域での探査は来年度に順延した. また,当初は計画に組み込まれていなかったが,遠州断層が地震発生帯から派生した地震断層であることを確認するために,3次元マルチチャンネル音波探査を実施した 現在取得された記録の電算機処理が進行中であるが,予察的結果では,遠州断層を含め東海沖の南海トラフ付加帯に発達する4つの断層系は全てトラフ軸から連続するデコルマンに収斂することがほぼ明らかとなった.
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