研究課題/領域番号 |
11309006
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
河野 泰之 京都大学, 東南アジア研究センター, 助教授 (80183804)
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研究分担者 |
縄田 栄治 京都大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (30144348)
田中 耕司 京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (10026619)
桜谷 哲夫 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (00260612)
柳澤 雅之 京都大学, 東南アジア研究センター, 助手 (80314269)
藤田 幸一 京都大学, 東南アジア研究センター, 助教授 (80272441)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | 国際研究者交流 / ベトナム:ラオス:タイ / 食糧自給 / 環境保全 / 農業生産力 / 焼畑農業 / 流域管理 / 地理情報システム |
研究概要 |
本研究は目的は、東南アジア大陸部、とりわけベトナム北部山地、ラオス北部、タイ東北部を対象として、食糧自給と環境保全のバランスがとれた生産力水準を明らかにし、実際の生産力をその水準へ誘導する方策を提示することである。そのために、ベトナム北部山地、ラオス中北部、タイ東北部の広汎な地域における林地-畑地-水田複合の農業生態と農家経営を概査するとともに、ベトナム北部山地で3地区、ラオス北部で4地区、タイ東北部で1地区の精査地区を選定し、自然環境保全状況、土地利用、農業技術と農業生産力、農家経営と食料バランスの臨地調査を実施した。合わせて、現地カウンターパートを含むプロジェクトメンバーのみならず、類似した関心を持つ研究者や行政官を取り込んで、第2年次にヴィエンチャンとハノイで、第3年次にチェンマイで国際ワークショップを開催し、研究成果の社会還元に勤めた。主たる研究成果は以下の通りである。 (1)食糧自給と環境保全は、政策レベルでは対立する課題であるが、農家レベルでは豊な自然環境が食糧自給を支えており、両者は相互補完関係にある。したがって、今日的に進められている自然資源管理の地方分権化や住民参加型の自然資源管理は基本的に望ましい。 (2)山地部への市場経済の浸透がすさまじい勢いで進んでいる。これが農家の消費意欲を刺激し、商品作物栽培の拡大や自然産物採取の増大を生んでいる。これは過剰生産や過剰採取である可能性が大きいが、これを既存のコミュニティレベルの慣習に基づいて規制することは困難である。 (3)したがって、適正な自然資源管理を実現するための最も重要な制度に関する整備は、コミュニティレベルの組織のエンパワーメントである。技術的には、農業不適地を同定してゾーニングし森林資源の回復、保全を図るとともに、平地や緩傾斜地における農業生産を集約化することが最も容易であり、現実的である。
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