研究課題/領域番号 |
11309008
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大森 明 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (50029229)
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研究分担者 |
谷 和美 トーカロ株式会社, 技術開発研究所, 所長
村上 健児 大阪大学, 産業科学研究所, 講師
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キーワード | 溶射 / 表面改質 / 粒子注入 / プラスチック / 再生PET / アナターゼ型二酸化チタン |
研究概要 |
本研究では、再生PET板にアナターゼTiO_2及びCu粒子の溶射を行い、飛行粒子の温度、速度及び粒度、基材の表面及び内部温度、断面及び表面組織観察などからPET板表面への溶射粒子の打ち込み及び膜形成メカニズムを検討した。アナターゼ型TiO_2をプラズマ溶射した場合、プラズマのみによって基材が溶融すると粒子の打ち込みが見られ、溶融しなければ膜形成となることが確認された。またPRTより低融点であるビオノーレを基材に用いて比較実験を行った結果、PETで膜形成が認められた溶射条件においても粒子は打ち込みが認められた。このことから粒子の打ち込みは基材の融点に大きく依存し、基材表面の溶融が大きく関与することが明らかとなった。一方、高速ガスフレーム溶射を行った場合、フレームのみでは基材温度が融点に達せず、供給される粒子も大量であり、かつ粒子速度も速いため膜形成に至ることが認められた。この場合、溶射粒子はほぼ未溶融であるためアナターゼ存在量が高いことが認められた。Cu粉末を溶射した場合、プラズマのみでは基材表面が溶融しない条件においても、表面が僅かに溶融していることが認められた。これは基材表面がCu粒子の保有する熱を受け融点以上の温度に達したためと考えられる。さらにトラバーススピードを変化させると、同一面積に送り込まれる粒子量及び積層するCu量が変化することから基材の溶融具合が大きく影響を受けることが分かった。Cu粒子を分級し溶射を行った結果から、粒子打ち込み条件では小粒経の粒子が打ち込みに関与し、混合粒子での小粒子打ち込み現象と対応することが認められた。
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