GISを用いた古代都城の用排水系統に関する総括的研究

2001 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 11309014
• 研究機関: 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所
• 研究代表者: 田辺 征夫 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 飛鳥・藤原宮跡発掘調査部, 部長 (50000493)
• 研究分担者: 小野 健吉 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 文化遺産研究部, 主任研究官 (40194584) ; 井上 和人 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 平城宮跡発掘調査部, 室長 (60110087) ; 小林 謙一 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 室長 (70110088) ; 金田 明大 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 平城宮跡発掘調査部, 研究員 (20290934) ; 小澤 毅 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 飛鳥・藤原宮跡発掘調査部, 主任研究官 (00214130)
• キーワード: GIS / 地理情報システム / 古代都城 / 用排水 / 考古学 / 古代史 / 条坊 / 空間分析

研究概要

昨年度に引き続き、各機関調査の条坊発掘情報の収集とデータ化を進めた。奈良市教育委員会調査分の情報収集が終了し、データ入力及び整理をほぼ完成させた。このデータを活用し、また一般に公開するための方法の検討を開始している。
また、都城内の用排水系統の分析に必要な平城京地形データについても、基礎的な編集活動を終え、デジタル化に向けた作業をおこなった。1/1000基礎図(76葉)の等高線データのラスター化をおこない、試験的に1地域を選択してCAD上で芯線化をおこない、ベクター化、DEMの作成作業へ良好な成果を得た。条坊データとのオーバレイの関連を考える為に座標あわせと同時表示の試行をおこなっている。
GISシステムについては、入力方法と、表示方法についての検討をおこなった。開発が予定よりも遅れているが、徐々に進行させている。
これらの成果は、平城京総合地図(暫定版)として、各条坊のデータおよびラスター形式の等高線データをCD-R媒体にて製作し、公開へ向けての実装の研究をおこなった。今後、ベクター形式の等高線データ、およびDEMを各図幅に対して作成する上で必要な項目の検討をおこなっている。
また、成果は国際学会としてはComputer Application and Quantitative Methods in Archaeology (Sweden)、ユネスコ「ディジタル・シルクロード」シンポジューム(東京)、国内では埋蔵文化財研究会(京都)、日本湖沼学会(滋賀)、地理情報システム学会(東京)等で研究報告をおこない、成果を公開している。

研究成果

• [文献書誌] 井上 和人: "平城京の都市計画と排水体系"下水文化研究発表会講演集. 6. 11-20 (2001)
• [文献書誌] MORIMOTO, Susumu, KANEDA, Akihiro: "A GIS Application for the study on water supply and draining system in the ancient capital city in Japan"Computer Applications and Quantitative Methods in Archaeology Book of Abstracts. 2001. 95 (2001)
• [文献書誌] MORIMOTO, Susumu: "Database of Archaeological Sites in Japan"ASIA GIS 2001. (2001)
• [文献書誌] 金田 明大: "GISデータを活用した考古学における空間分析"GISデータの流通・相互作用に関する調査(大阪府地区)業績報告書. 別冊. 1-9 (2001)
• [文献書誌] 金田 明大: "地理情報システムを利用した古代の空間についての検討"埋蔵文化財研究会シンポジューム 環境と人間社会. (2001)
• [文献書誌] 金田明大, 津村宏臣, 新納泉: "考古学のためのGIS入門"株式会社 古今書院. 232 (2001)