研究課題/領域番号 |
11351001
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
河内 十郎 日本女子大学, 家政学部, 教授 (30083710)
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研究分担者 |
鳥居 登志子 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (70060671)
鳥居 修晃 聖心女子大学, 文学部, 教授 (50015012)
河村 満 昭和大学, 医学部, 助教授 (20161375)
大六 一志 武蔵野女子大学, 人間関係学部, 講師 (10251323)
溝渕 淳 法政大学, 教養部, 助教授 (40287826)
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キーワード | 光トポ脳機能解析装置 / 脳梁離断症例 / 保続性錯読 / 脳梁無形成症 / 読み書きの習得 / 言語の半球優位 / 家族性の左利き |
研究概要 |
平成11年度は、光トポ脳機能解析装置が9月末に搬入されて以降、実験用のコンピュータとの連動を可能にするためのプログラムの作成などに時間がかかり、障害者・児の脳機能の測定までにはいたらなかった。しかしその間、各研究分担者は、12年度の測定に向けて、従来から接触してきた事例に対して、さらなる検討を続けた。例えば脳損傷者班は、脳梁離断症例において左視野の保続性錯読が認められること、左中心領域下部損傷でプロソディーの障害が認められること、純粋失読の漢字音読の成績には画数効果が認められること、脳梁無形成症例に視空間課題に限って離断症状が認められたこと、などを明らかにした。また、発達遅滞児班は、言語発達遅滞児においては仮名文字の読みの習得としりとりの発達が対応していること、拗音表記の読み書きの習得には多くの条件が必要なこと、などを明らかにした。―方研究代表者は、光トポの実用性を確認し、さらに次年度に於ける障害者・児の測定を円滑に進めるために、30名の健常成人を対象に、利き手と言語の優位半球との関係を検討した。統制課題として複雑なな無意味図形の模写を、言語課題としては初頭音とカテゴリーの2種の語流暢性検査を書字で行い、両者の差から言語に対応する脳の活性部位を検討した。利き手テストで右利き得点の高い者は、全例が左半球優位を示し、左利き得点が高い明らかな左利きで、家族にも左利きが多い3例は、右半球優位であった。この結果は、脳損傷者や言語発達遅滞児にも同じ利き手テストを施行し、その後言語の半球優位を検討する今後の研究と比較することができる。
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