研究課題/領域番号 |
11354004
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
武尾 実 東京大学, 地震研究所, 教授 (00197279)
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研究分担者 |
新谷 昌人 東京大学, 地震研究所, 助手 (30272503)
森田 裕一 東京大学, 地震研究所, 助教授 (30220073)
深尾 良夫 東京大学, 地震研究所, 教授 (10022708)
鈴木 和夫 日本航空電子株式会社, 部長/研究職
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キーワード | 地震計 / 強震動 / 地動回転成分 |
研究概要 |
本年度は基本となる回転地震計のモデルを試作し、その性能評価を行った。準備段階での調査研究を基に、地震学で期待される回転地震計の基本性能のつめを行い、基本モデルの細部の設計を決めた。この設計に基づき基本モデルの試作に掛かり、9月に試作品が完成した。この試作品の段階では、可搬型回転地震計基本モデルの内部ノイズは8×10E-9 rad/sec(@1Hz)のレベルまで低下させることに成功したが、まだ、当初の目標値である10E-9 rad/secに比べ若干高い状態である。この試作品をフィールドで試験するため、10月から11月にかけて地震研究所筑波地震観測所で試験観測を行った。その結果、震央距離150km以内の多くの地震について地動回転成分を観測することに成功した。この試験観測においては試作品の性能を確認するため、既にその感度やG感度が確認されている流体ジャイロを用いた高感度回転地震計と並行観測を行った。両センサーの記録を適切なフィルター処理をして比較することにより極めて良い記録の一致が確認され、試作品の性能が当初の設計道理であることが確かめられた。一方、この試験観測により新たな問題も明らかになってきた。当初の設計では温度変化に対する感度の変動を十分に抑えることが想定されており、緩やかな温度変化については感度の補正値も得られ期待どおりの精度での観測が実現できた。しかし、観測開始当初において、センサー内部の温度が安定するまでにかかる歪みのためボピンに巻いたファイバーが不規則に動くことによると思われるパルス状のノイズが記録された。現在、このノイズ源の特定を急いでおり、早晩解決できるものと思われる。さらに、試作品を昨年9月に発生した台湾地震の余震域に設置して臨時観測も実施した。
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