研究課題/領域番号 |
11355003
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小林 光 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (90195800)
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研究分担者 |
戸所 義博 松下電子工業, 半導体事業本部企画部, 主幹研究員
米田 健司 松下電子工業, プロセス開発センター, 主任研究員
高橋 昌男 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (00188054)
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キーワード | 界面準位 / 欠陥準位 / シアン処理 / MOS / SiO_2 / リーク電流 / Si-CN結合 / 白金触媒 |
研究概要 |
シリコンをKCN溶液に浸し、その後水洗いする簡単なシアン処理によって、Si/SiO_2界面に存在する界面準位が消滅することがわかっている。密度汎用関数法を用いた理論計算、及びXPSスペクトルの観測から、シアン処理による界面準位の消滅は、シリコンダングリングボンドとCN^-イオンが反応してSi-CN結合が形成されることによることが分かった。シアン処理の後、窒素雰囲気中800℃で加熱しても界面準位密度が増加せず、シアン処理により形成されたSi-CN結合は800℃でも切断されないことが分かった。シアン処理を施した後酸素雰囲気中800℃で加熱することによってSiO_2膜を作成した場合、シアン処理を施さなかった場合に比較して界面準位密度が大幅に低減し、この結果もSi-CN結合の熱安定性を示している。また、擬似太陽光AM1.5100mWcm^<-2>を1,000時間以上照射しても界面準位密度は増加せず、Si-CN結合は紫外・可視光照射によっても切断されないことがわかった。KCN溶液に18ーcrown-6を混入した場合、K^+イオンがこれに有効に捕獲される結果、K^+イオンによるシリコンの汚染が完全に防止された。 SiO_2/Si構造の上に白金膜を堆積しその後酸素中300℃で加熱し、その後王水を用いたエッチングによって白金膜を除去した。この白金処理によって、SiO_2膜の膜厚は変化させないでリーク電流が1/100から1/10,000に減少することがわかった。リーク電流の減少は、白金からSiO_2膜に解離した酸素イオンが注入されサブオキサイドやシリコンダングリングボンドなどの欠陥と反応する結果欠陥が消滅すること、SiO_2膜厚の小さい部分で酸化が選択的に促進される結果膜厚が均一になるためであると結論した。
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