研究分担者 |
佐藤 康元 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員
玉川 欣治 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30005368)
佐藤 源之 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (40178778)
嵯峨 毅 (株)サイエンティア, 研究開発グループ, 研究員(研究職)
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研究概要 |
平成12年度に開発した,微小ループアンテナプローブと,検査対象に高周波電流を誘導する誘導線が一体となった新しい探触子,すなわち,アンテ-誘導線一体型探触子の各種設計パラメータの最適化を行った.新しい探触子の主な設計パラメータは,誘導線長さ(125,180,250,500mm),ループアンテナのループ直径(5,7,10mm),誘導線-アンテナ間距離(3.5,4,4.5,5,5.5,6mm)である.それぞれかっこ内に示した値を用いて,人工欠陥(長さ10mm,幅0.2mm,深さ0.5,1,2mm)を有するSUS316製の試験片(300l×150w×20t)を測定した結果,以下の点が明らかとなった. (1)周波数1GHzで測定を行う場合,誘導線長さは125mm最適である. (2)ループアンテナのループ直径は7mm,誘導線-アンテナ間距離は5mmが最適である. 最適化された探触子を用いて,疲労き裂周辺の面探傷を実施し疲労き裂の可視化を試みた.その結果以下の点が明らかとなった. (3)強磁性体および常磁性体に導入された疲労き裂の検出が可能である. (4)面探傷の結果,新たに開発した一体型探触子による信号は左右対称のき裂に対して,非対称の分布を示した.これは探触子の非対称性によるものである. (5)(2)を踏まえて,欠陥の認識を容易にするため,誘導線をアンテナプローブに対して対称に2本配置する等の対称性を考慮した探触子改善の必要性が示唆された.
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