研究概要 |
本研究では、研究代表者らの超並列・超高速ビジョンチップ並びに1ms感覚運動統合システムの開発の実績をもとに、高速ビジュアルフィードバックを用いた新たな原理に基づく超高速マニピュレーション技術の体系化を目的とする。実際に、集積化ビジョンシステムの研究開発と、それに対応した高速ハンドアームシステムの研究開発を同時に進め、システムレベルでの超高速マニピュレーション技術を実現することが研究の特色である。具体的な研究成果としては次のことを実現することができた. 1.1msビジョンチップに基づく1msアクティブビジョンシステムの開発 ビジョンチップの高速性に対応して,高速動作が可能な2自由度アクティブビジョンシステムを開発した.また,開発したシステムを用いて,三次元形状認識と対象追跡を同時に行うことができるアクティブビジョン制御手法を開発した. 2.1msビジョンを備えた高速ハンドアームシステムの開発 ロボットハンドアームと高速アクティブビジョンを同時に高速に制御するために,それぞれの処理演算を並列に実行することが可能な並列構造を持つリアルタイムDSP処理システムを導入した.これにより、より多種・多数のセンサに対する階層的並列処理を施すことが可能となった.開発したシステムのもと,1msビジョンシステムの出力により,高速ハンドアームの実時間視覚フィードバック制御を実現することができた. 3.超並列性と超高速性を利用した視覚情報処理アルゴリズムの開発 高速性を考慮した視覚制御のための並列画像処理アルゴリズムを開発した.また,2台のビジョンシステムを用いた3次元位置形状情報の獲得手法を提案し,楕円体などの対象に対する実時間認識を実現した. 4.ダイナミクスを考慮した高速ビジュアルフィードバック制御理論の構築 視覚により対象のダイナミクスをリアルタイムで計測し,それを用いることで高速作業が可能な視覚フィードバック制御理論を構築した.具体的には,接触作業を考慮した視覚によるロボットのダイナミクス制御法を開発した.
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