研究課題/領域番号 |
11355011
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
戒能 俊邦 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (00281709)
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研究分担者 |
小松 京嗣 東北大学, 反応化学研究所, 助手 (90261502)
渡辺 明 東北大学, 反応化学研究所, 助教授 (40182901)
谷内 哲夫 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (80260446)
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キーワード | 電磁波強度検出素子 / 高分子光導波路 / アゾ色素 / マトリックス高分子 / 分極処理 / ヘテロ芳香環 / 薄膜 |
研究概要 |
本年度は電磁波強度検出用高分子の合成と新規電気光学高分子の開発を重点化した。安価な半導体レーザーを用いた電磁界強度測定装置構築のための基本検討として、可視〜近赤外波長領域(650nm〜900nm)で光透過性にすぐれる電気光学高分子を合成した。また、高出力の電磁波強度測定用波長可変レーザーを購入し、これを用いた電気光学効果の評価を進めた。電気光学効果を有する高分子はクリーンルーム内でスピンコーティングにより薄膜化し、平行電極を用いて分極処理を行い、電気光学活性を得た。電気光学高分子に色素を結合することによって電気工学効果が発現するが、この結果色素の有する電気遷移吸収が高分子の光透過性低下をもたらす、これを解決するため、マトリックス高分子として単分散性のポリスチレンを採用し、これにアゾ色素を結合した。この結果、従来の手法で得た色素結合型電気光学高分子にくらべ、光透過性を3倍向上させることができた。 一方、波長1.3μmでの電気光学効果向上のために反応化学研究所の分子設計支援システムを活用し、チアゾール基を有する3芳香環アゾ化合物を新規に設計した。ジアゾカップリング法によって設計色素を合成し、この色素をPMMAに結合した電気光学高分子は吸収のレッドシフトを示し、狙い通りの電磁波強度検出用高分子であることが判明した。 一方アゾ色素含有電気光学高分子の簡便な光導波路構造化によって、電磁波強度検出用高分子の応用範囲を拡大することが可能であるため、溝付き高分子基板を用いた光導波路形成技術を開発した。マルチモード光導波路が実現でき、光導波路型センサー開発に道を拓いた。
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