研究概要 |
マイクロエンコーダの製作においては、昨年度までに、円筒面露光装置、レジスト霧化装置などを開発している。これらの装置を用いて円筒面への微細パターン転写技術を確立した。円筒面のエッチング技術としてウエット法を用いた。ガラス円筒面には、精度のよいパターンを転写でき、アルミのエッチングを行うことで、エンコーダ用の格子を実現した。また、金属円柱面に直接エンコーダパターンを転写し、金属のエッチングを行うことで、金属面へのエンコーダパターンの直接形成を実施した。製作したパターンには、金属の粒界によると思われる凹凸が生じたが、エンコーダとして用いることができることが確認できた。特に転写においては、円筒の円周長さがワークごとに異なることがあるので、転写したパターンの一回転の位置でのパターンの位置ずれが発生する。本研究ではマスクの走査と円筒ワークの回転を独立に制御することで、一回転したときにパターンが合わさる一回転整合型転写法を実現した。これらの方法により直径3mmの円柱に対して周期40μmのエンコーダパターンを形成した。 製作した円筒格子と光源,光センサを組み合わせて,ロボットの指関節をモデルとした測定系を構成した,円筒は指関節の軸にもちい,ベアリングと組み合わせた.関節は2つ並列に構成し,外部よりモータ駆動した.小型のエンコーダであるが,回転信号が得られ,動作を確認できた.このように,マイクロエンコーダの新しい製作方法を提案し,擬似ロボット指関節においてエンコーダを組み込んだ小型の構造で実証でき,本研究の主要な目的を達成した.
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